「たま山歩/未踏の山道をもとめて~」
小荒島岳山頂からみた荒島岳
【荒島岳(あらしまだけ)】標高1,532m
<中出登山口コース往復>
深田久弥によって『日本百名山』に加えられた山
泰澄大師によって開かれたともいわれ
古くから信仰の山として崇められている
大野盆地の南東にそびえ
別名 “大野富士” と呼ばれる独立峰
山頂からは
白山や北アルプス連峰の山々を望むことができる
「○名山」を完歩したいとは思わないが
「名山」というからには
それなりの理由があるのだろうと思っていて
一度は歩かねば と思っていた御山のひとつが
この 荒島岳だった
福井で唯一の百名山
石川も白山ただ一つ
そんなとこにも近しい思いあり
標高は 1,523mとさほど高くない
そのせいか データによると登山時期は
5・6月が多く 7・8月になると減る
やはり盛夏はご法度の山か⁈
行くなら今なのにここひと月かなり多忙で
タイミングが合わない
とうとう3日前(6/10) 梅雨に突入してしまった!
あー恨めしい( ̄ー ̄)
天気予報は雨☂マークだらけ
それでも空きスケジュールと
希少な晴日を照合してみたら
軌跡の一日☀ 発見!
それが 今日(6月13日)だった
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
荒島岳には幾つかのコースがある
よく使われるのが勝原(かどはら)登山口と
中出(なかんで)登山口
さてどっちにしよう
ってか どっちがいい?
いつものことだが自分の身体と相談である
6月の中旬といえば 春山歩きで
「体力・筋力」そこそこつけていたい時期なのだけど
今年は残雪が気になってスロースタート
まともに歩いたのは
福井の三山(越智山・日野山・文珠山)
それも GWのみ
その後 ちまちまと
地元の山を歩く機会があったが
“鍛える” を意識した山歩ができてない
“こんなんで 大丈夫なのか・・・?”
不安材料は他にもある
はじめて登った人たちが口を揃えて言うのは
“あまくない” 山
(舐めてかかるといかんぜよ!)
どれどれ YAMAPを中心に調べてみる
登山口からの標高は 1,300mくらいある
距離は往復で
8.8km(勝原)~11.3km(中出)とでた
おいおいこれってもしかして
白山より厳しくないか⁈
因みに白山は 別当出合⇔室堂往復で
標高差:1,190m(2,450-1,260)
距離:12.0 km(砂防新道)
時間も 往:4時間00分 複:2時間30分
(似たようなもん)
コース定数:31(御前峰マデ往復)
(似たようなもん)
甘くないことが「脳」ではわかり
もう少し辛度を落とすか と思い
例えば 近場の「銀杏峰」なんかどうだろう
とも 思ったけれど
ここは次に行きたい山で
胸の内はやはり「荒島岳」へ
“この機を逃したら今年も歩けないかもしれない”
やらない後悔ほど口惜しいモノはない
やはり今行くべきは アラシマ!
で あらためて山行日記を見させてもらう
結果・・
“勝原より 中出のほうが 少しだけ楽な気がする”
ひとつには
“スキー場を通らなくていい” ことがある
スキー場歩きは好きじゃない
単調だし 足が反り続けるんで ふくらはぎが攣りやすい
福井の山友さんのレポも後押し
消去法と気分で決まった「中出コース」(笑)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
登山口までは 一般道を行く
国道157号線で谷峠を越えて勝山へ入るルート
1時間44分(Googlemap調べ)
じつは車を買い替えた♪
16年一緒に過ごした相方にさよなら
人生で初めて「軽自動車」それも「バン」を購入
もっと「山歩」を楽しむための選択と決断
今回が初のロングドライブ
不安と期待が入り混じる
2度の福井入りで
早朝ドライブの快適さを知っちゃったので
今回も4時半に家を出る♪
思った通り対向車ナシ 後続車ナシ
ノンストレスで気分がいいー♪
ナビを使うのは10年ぶり
(前車は壊れたまま放置 )
クセを知っとこうと起動してみる
(Googleより到着時間が遅く出る)
白峰を過ぎ勝山市内に入ると
幻想的な風景に遭遇!
明るい市街が道路も建物も田んぼも
辺り一帯が濃い霧の中に沈んでいる
車の往来が激しかったらかなり焦ったと思う
福井ではよくあることなのだろうか
そういえば 雲海に浮かぶ「大野城」だっけ?
有名だよね 納得💓
ナビの指示通り運転してると
ま新しい感じのする道路へ誘導される
高速道路は使わない設定にしてあるので
料金が発生するとは思えないが
黒く滑らかな路面と濃霧が緊張を強いてくる
自然とスピードが落ちる
前にも後ろにも車がいないのが救い
平常心でナビに従う
あとからわかったがこれが
中部縦貫自動車道というやつらしい
青空と霧と眼下の麦畑の黄金色が美しかった
この風景に出会えたことに感動
福井 いいぞー♪
大野ICから荒島ICまでの時間短縮が効いたらしく
6時10分には 中出駐車場に着いてしまった💦
ここが 中出(ナカイデ)駐車場
整備されたスペースにある建屋はトイレ
隣りでは治山ダムらしい工事が進行中
先行車は 福井ナンバーが4台
余裕の広さ♪は さすが百名山⁈
余裕で止めさせてもらう♪
コンクリートの腰壁と卯建がユニークな建屋
雪対策なんだろうな
トイレブースは3つ(和2洋1)
きれいで使いやすい
外には流しっぱなしの湧水
これは嬉しい―♪
荒島岳 登山マップ
6:30 👇 行ってきます!
しばらくは作業道がつづく
6:38 👇
300mほど歩いたら左に登山道入口
右側には車が数台止めれるスペースも(砂利)
道は車も通るのだろう ゆったり
ただ 砕けた砂利が歩きにくかった
暫くして 前方に今日初めての「人」発見!
ザックを担ぐ背中が丸い
全身から疲労を滲ませた40~50代男性
下山してきたのだろうか?でもこんな早朝に?
声をかけてみた
“おはようございます!荒島からですか?”
男性は歩きながら頷くと
すれ違いざま 私の中の声に答えた
“夜中から歩いてますから”
“!!!驚いた!”
荒島岳は暗い中歩ける山なのか
熊も起きていそうだが
男性は足早に去って行った
今 彼の脳裏にあるのはきっと駐車場だけ
流しっぱの湧き水を頭から被るようすが見えた
(気がした)
6:45 👇

分岐 左へ
先の不安など浮かびようのない楽路だった
わたしはやや俯き加減で歩いていた
歩きやすい路 だからだと思う
何も考えてなかったか
とりとめない何かを考えていたか
どちらにせよ緩ーい頭でいたようだ
6:59 👇
轍が消え
こんなふうに足元の見え方が変わっても
“ああここは 車が入らない道なんだな”
“雑草もかわいいな” なんて思いながら
写真を一枚撮ってる
5分後 突然
サコッシュの中でスマホが震えた!
なにやら音声が聞こえる
声の主は「YAPAP」だった
起動したままのアプリの表示を見た瞬間 凍った!
「ルートから外れているようです」
“えっ!えーっ⁈”
これ 👇
“わっ!わっ!わっ!ヤバイじゃん!”
焦った! 慌てて引き返す💦
どこだ!分岐はどこだ!どこで見逃した⁈
7:09 👇
ここだ!
下ばかりみて歩いてたら分岐の表示を見落とした!
(右横から来て左上に抜けるのが正解)
堪えた・・
ただ見落としただけじゃなく
足元の変化に気づいていながら
正道だと全く信じて疑わなったことが衝撃だった
「ルート外れ警告(YAMAP)」がなかったら
まだまだ先を行ってただろう
(おー怖っ!)
そうしてここからは本格的な登山道
樹林帯に突入
7:15 👇
もう分岐は見落とさない(苦笑)
7:30 👇
しつこいぐらい(苦笑)
7:48 👇
鳥の鳴き声が響き
目の前を何かが横切った気配がして
上体を起こすと 巣穴の空いた朽木があった
生きた森にいる実感ひしっ♪
7:56 👇
もう ひたすらの樹林
8:02 👇
トラバース
展望はなし
かすかに見えたあれは「九頭竜ダム」?
8:12 👇
だいぶ歩いた気がしてたけど
まだ半分も来ていないとは…
折り畳み式で持ち運び楽
紛失or破壊が多いギアなので
コスパのいい「Naturehike」を
amazonセールで¥5,000台で購入
メチャ軽! 一本だけ使用
8:29 👇
日が差し込むととても美しいブナ林
ここは大木よりも小木が林立してる
奥行きのある静かな森で気持ちいい
8:36 👇
ここで今日二人目の下山者(女性)とすれ違う
そろそろ視界に変化(眺望)が欲しいなぁ
と 思っていたら
8:52 👇
小荒島岳 分岐に来てた!
もちろん行く!
左に折れ少し行くと
8:57 👇
<小荒島岳> 到着 標高1,186m
ラスボス荒島岳を背に定番の構図で一撮
ここに来てようやく垂涎の眺望にありつく
ホント 長かったー💦
8:58 👇
荒島岳山頂で観れる保証がないので
ここで一枚白山を撮ってみるが雲がじゃまだなー
コース上に小荒島岳があるところが
中出コースのいいとこだな♪
勝原から登る人はここまで来るんだろうか
ブーンと耳元で大きな虻の羽音がする
煩いので早々に移動する
9:13 👇
山頂まで2.0kmかー
まだ2kmあるかー💦
ブナの倒木が登山道上を塞いでいるところに
何度も遭遇する
やはり
この冬の雪の多さは尋常じゃないのだとわかる
9:30 👇
<しゃくなげ平> 到着 標高1,204m
⇨右が 今来た 中出(ナカンデ)登山口方向
⇦荒島岳へ向かう道
⇩勝原(カドハラ)登山口は
この方向簡単に言うとTの字の⇩
ここ 平らなのはまちがいないけど
しゃくなげは葉っぱすら見あたらなかった
ここからは荒島岳まで一本道
難関!「もちがかべ」が待っている⁈
勝原道を使ってきたと思われる人が4人
皆バラバラ 皆男性 標柱の写真を撮ると
さっさと荒島へ向かっていく
わたしは 少し疲れた 足が疲れていた
樹林帯は腰を下ろすところもなく
小荒島岳は虫が煩いし 暑かった
少し(脚を)休ませた方がいいと思い
石に腰かけ
海塩たっぷりのおにぎりを食べた
6月は受難の月
何が起こるかわからない
9:38 👇
歩きだしてすぐ 下り坂の途中で
左開(サビラキ)登山道との分岐と交わる
経験上 脚攣りの予兆を感じて漢方を一服
しかし遅かったようで
ほどなく右のふくらはぎが攣り始めた
こすったり 押したり だましだまし対処したが
直ぐには治まってくれなかった
それでも歩けないほどではなく
前進を試みる 速度は格段に落ちた
6月は魔の月
どれだけ周到に備えても “痙攣” の頻度が高い
水は1.5㍑ アミノ酸 ポカリ レモンに干梅
塩むすびに紫蘇入むすび
それでもやられるってのは
やっぱ 身体ができてないんだろうな
この一ヶ月 自分を甘やかしてきた“つけ”が
(=運動不足)
とうぜんのようにでる
白山と同じ痛みを突き付けてくる
ここ 荒島岳 確かに甘くない
が ホントの辛さはここからなのだった
9:54 👇
もちがかべ 始まった!
激坂をまえにして芍薬甘草湯をもう一服
鎖出現!かなり荒れてる
頑丈そうな階段と太いロープ
まだまだ
10:03 👇
おっ 白山みえた!
10:05 👇
つづいてさっき歩いた 小荒島岳♪
10:19 👇
ふたたびの・・
10:24 👇
開けた!あれは?
荒島岳ではなく“騙しピーク⁈” らしい(笑)
10:27 👇
ここが <前荒島岳> 標高1,400m
まだ 500mもあるんかーい💦💦💦
なんと!
なんかちっさい人がみえる💦
ここを上れと⁈^^;お花で心を整えてと・・(フーッ)
行きますか!( ̄ー ̄)
10:34 👇
<中荒島岳> 標高1,420m
着いたー!💦
メチャしんどかったー💦
私が上がり切るのを待っててくれたお二人を
振り返ってみる
おー!この高度感!これを道というのか⁈
ふりかえるのはやめとこう💦
さぁ あとひとつ!
ラスボスに向けて 前進あるのみ!
10:44 👇
もはや驚くこともしなくなった激坂
一歩一歩 確実に登るだけ
10:48 👇
おーあの屋根は⁈
10:50 👇
<荒島岳> 標高1,523m
山頂到着 ^^; しんどかったー!
着くなり手を合わせに駆け寄ってしまった💦
(お地蔵さま)今日の感謝はひとしおです
マジで ハードな道のりだった
足(脚)は棒だし 全身に力が入らない
大野盆地
低山に囲まれて暮らす人たち
あそこからだと360°山に囲まれて見えるんだろうな
朝見た濃い霧もこの地形を見ると
なるほどと思える
白山トップの雲は動いてくれなかった
それでもやっぱり神々しい♪
クエン酸たっぷりの梅干おにぎり食べて
山頂写真を一枚 SNSに上げた
虫が煩いのと帰りの不安で落ち着かない
さっき来た道 マジ怖い
騙し騙しのこの足で踏ん張れるやろか
ちゃんと下りれるんやろか
見れば今日ここへ来てた人の殆どが
サポートタイツをはいとる
白山並みに嫌らしい山だと知っていながら
わたしは履いてこなかった
やっぱり甘く見てた?
帰りは気持で負けんとこ!
怪我しませんように
白山の神さま見とってください
11:25 👇
下山開始
両の手を開放し
サディスティックな急登を
ロープを頼りに下り始める
足裏に 細く歪な登山路の感触が返ってくる
気を抜けない
11:30 👇
気を抜いていいのはこんなとき
これはご褒美だな Nice Viewー!
もちがかべは鞭も打つけど飴もくれる
でも留まってはいられない
いつまた痙攣が始まるかもしれないと気が逸る
11:35 👇
正式にはここからが もちがかべ?
540m つづくのかー💦
癒し
12:07 👇
しゃくなげ平
12:17 👇
帰ってきたブナの森
この枝にちょっと腰かけさせてもらった
とこどき 適当な太さのブナをハグしながら歩く💓
12:44 👇
南側に小高い平地のようなのが見えて
手前に堀のような窪地がつづいていたんで
山城があってもおかしくないと感じた場所
人の手が入ったことがあるような?
12:54 👇
半分きてる!
が 薄暗い樹林帯は憂うつな時間だった
下山用のストックを頼り過ぎて
こけそうになったり
ねん挫しそうになったり
足首の疲労はピークに達していたと思う
気持ちがイラついてときどき奇声を上げた
気が付くと後ろに2人の男女
先を行ってもらう足取りをみていると
なんとも軽快
なんで?
思い立ってストックをたたんだ
そしたら同じように歩いてた
頼り過ぎてたか
一度離された2人にすぐに追いついた
13:37 👇
むりに距離を詰めようとは思わず
ただ・・ついていきたくなった
この山(コース?)をひとりで歩くなら
覚悟がいると思った
初登山者にはストイックすぎる
お姉さんの背中が妙に人恋しかった
13:39 👇
長い林道 でもあと少し
中出駐車場着 14:00
ゴール!
ホントわたしにお疲れさま
この同じコースをもう一度歩きたいとは
正直思わないが
機会があるなら勝原コースを
あ でもスキー場がなー💦
あとでYAMAP見たら
この日歩いた勝原組みは
ほとんど小荒島岳に行ってなかった
やはり “もちがかべ” と格闘したあとで
寄り道する気にはなれなかったか
そう思えばやはり中出コース悪くない
(でも好んで歩きたくないw)
湧水でおもいきり顔を洗った!
こんなことでリフレッシュできるなんて🎵
諸々 刺激に満ちた荒島岳でした
ありがとうございました♪
『〆の温泉』☟
「勝山天然温泉 水芭蕉」☝
中出駐車場から車で30分
帰路の途中にないか探してたらヒットした温泉
サウナには入らないが水風呂が嬉しー♪
酷使した脚(足)を冷やせる
お湯は茶色であったまる
駐車場は福井ナンバーの車でいっぱい
地元で人気あるんやねー♪
玄関からホール
大浴場まで恐竜がついてくる館(笑)
PS:脱衣室にあったダイソンのドライヤーが
メチャ使いやすくて欲しくなった♪w
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