2021/11/02

TAMA-SANPO㊼~巨木と巨石の登拝道♪~一度は歩いてほしい「白山禅定道」(周回)~2021.10.30

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


【白山禅定道(はくさんぜんじょうどう)(5.4km)

泰澄大師によって開かれた

越前/加賀/美濃から白山山頂に至る
3つの禅定道のうちのひとつ

越前禅定道

平泉寺白山神社を起点に
30kmもの道のりがあったそうです

現在 通行可能な区間は

平泉寺から伏拝までの 約7kmと
市ノ瀬から白山山頂までの 約10km

今回歩いた 白山禅定道は

市ノ瀬から白山山頂に至るルートの前半
約5kmの登山道です



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


終点は 観光新道が稜線に達したところ
ここから呼び名が変わります

変わっても「白山」を冠している以上
凡庸な道であるはずがない!

と(勝手に)期待がふくらむ♪


その観光新道との分岐に立つと
否応なく目につく標識

右(上り)に行けば室堂(至白山)
左(下り)は 未踏の道

旧越前禅定道の一画をなす重要な登山道
だということは知ってても

周囲から かなり「厳しい」道だと聞かされていて
自分にゴーサインが出せないでいた

市ノ瀬から白山山頂を目指すとなると

総距離 約10km
標準登り時間 約8時間

延々上りっぱなし
行けたとして下りは?

いやいや御前峰に立つなんてのは あとの話だ

今期の静かな目標…未踏の禅定道歩き

何がどう「厳しい」のか歩いてみる!

という気持ちにさせてくれたのは
山友WさんのSNS投稿を見れたから

いつになくたくさんの写真で
おいでおいでと誘われてるようだった♪

おかげで イメージはでき上った!




朝7時 市ノ瀬駐車場をスタート

気温は10℃を下回っているかな

ファイントラックのドライレイヤーに
ユニクロのタートルネック長袖T+速乾長袖T
+ニューバランスのナイロン100%ランニングジャケット

で 行くべ



六万橋の手前で
「六万山(ろくまんざん)」を見上げる♪

市ノ瀬に向かう途中で見えてくるこの山の
こんもりまぁるい形が好き

今日歩けるのを心待ちにしてた♪



10分ちょっと歩くと林道沿いに標識が見えてくる

入山♪




杉木立を抜けるとさっそく現れる
厳かな樹林と巨石の佇まい


少し行くと開けた空間にでる
歩きにくいどころか丁寧に草が刈られている

おどろいた


石を踏みしめるたび
何だかありがたーい気分が湧いてくる

安定感というか
安堵するというか

勝手な心持だけどこれが正道の持つパワー?


20分後 林道にでる


左に行けば「釈迦新道」
釈迦岳に行けるのだけど

湯の谷橋付近で起きた土砂崩れのため
残念ながら 現在 全面通行止



7:50 白山禅定道は道路のすぐ向こう

ここが 登山口(1,010m)です♪


暫くして前方に年配の男性の姿が…

立ち止まっているので私が通るのを
待ってくれているのだと思い

さっさと歩みを進めると
すれ違いざま質問責めにあった

内容はまぁいいとして

ここで15分ほどお話に興じたあと
再スタート



この上りは 梯子坂 というらしい
(梯子ないけど)

多少急坂ではあるけど全然苦にならない

登山道はしっかりしていて
ホント 歩きやすいのです

でもさすがに汗をかいてきたので
ナイロンジャケットを脱ぐ



で 見えてくる予感と期待♪



いつしか人工林は姿を消し

ブナやミズナラが
それぞれの色に染まっていました♪



こんな出逢いが 超ー楽しー!

天然杉の巨木!
幹回りハンパない⁈



シマイ馬場



見上げる♪ 触る♪ 愉しい♪

こんな大きな古木に逢うとやっぱ手を触れたくなる

人目もないので腕を回して抱きついてみたりする

これ 特権♪

何かが自分の中に流れてこないかな
なんて下心は もちろんありますw



もー堪りません💓



山頂が稜線上ってとき 標識は突然現れる!

だから

シンド過ぎて足元ばかり見て歩いてるときは
気づかず 通り過ぎてしまうこともあります
(口長倉山がそーだった💦)

今日は余裕でしたがw

これはこれでちょっとびっくりな姿でしたね💦

ここが 六万山(1,260m)山頂です



そして 巨石が次々と現れるシンボリックな場所

ずっと写真で見てきたときは
暗くて冷たくて硬質な印象しかなかったのに

こうして彩をまとうと俄然 華やか―♪



でもそこはやっぱり石なのだ
暫しの時間だけど岩場遊びする気分になれる



プーさんの寝床になりそうなスキマが多い

今年は熊の餌になる山の幸が豊富らしく
目撃情報は少ない

ちょっと調べてみた

白山市で15件だそうだ(10/31現在)
因みに去年の同じ時期は70件もあった



ひとり山行が多い私

こういう年は多いに利用するべし!
と思うわけで…

自然と腰が軽くなるのですわ♪


巨石の迷路を抜けたら
益々もって鮮やかな景色が待っていました♪



倒木のかけらが突き刺さってる?



彩りロード♪



仲良し♪



言葉もない…



9:00 指尾山(1,417m)到着



かつて 伏拝 だっただけあって

大汝峰と御前峰がチラリ(ズ――ムです💦) 


暫し眺望に見とれて愉しんだあとは
少し下っては上がりの稜線歩き



すでに朽ちた巨樹に寄生?して
しっかりと自分を育ててる姿は感動モノです

「生」のリレーを見ているようです



土台部分 もー何が何だか…







巨神兵⁈ 火の七日間!(笑)



決して歩きやすいとは言いませんが
好き💓なタイプの道です♪

まさに修験道の雰囲気♪

と そこに



9:50 剃刀窟(かみそりいわや)ですね

泰澄が剃髪した場所だと伝えられています

しめ縄が見えます
不思議です 雨風に負けることなく
こうして神域を守っている姿に感動します



碧色した石が見えます
緑色凝灰岩でしょうか

大きな石には 
〈妙慶〉〈妙清〉〈善立〉・・
といった文字が刻まれていました

修験者(僧)の名前?
木造や石仏もありました


巨石を利用してこうした窟をつくる
或いは修行の場とする

禅定道らしい
石と信仰との密なる関係が感じられました




そして視界が開け
爽やかな風が吹き渡る先には



2か月前に歩いた
別山・御舎利・大屏風の稜線♪



木道があったり



垂直に近い鋼製の階段があったりと
なかなかしっかりした造りではあるけど

これがなかった昔は
かなりキツかったろうなーと思う



開けた視線の先には
どこかで見たような吊り橋

なんと 別当出合から
砂防新道へ行くときに渡る橋だ⁈

別当出合は 標高 1,250m

ここは?

すでに 1,529m でした!

手前に見えるヘアピンカーブは
県道33号線(工事専用)ですね

たぶん 天井壁 と呼ばれる
崖の辺りに来てるっぽい

頭の中で2次元の地図を3Dに展開中…
凄いぞ! 凄いぞ!

思いもしなかった場所に立ってる

登山道鑑賞はつづきます♪



遠目では岩石に礫が詰まってるのかと思いきや
古木にキノコが生えていたものでした

しかも 石のように固い💦



かたつむり🐌星人と呼んでしまおうw


次に踏み込んだのは稜線というより台地

立枯れた木々のそばには

生を謳歌するかの如く
高く広く枝を伸ばすものたちもあって

生と死が混在するようなところでした




手を振って歓迎してくれてる⁈



ここにきてようやく見れたナナカマド


樹々がダンスを踊っているような空間
(イナバウワー♪)


首がバカになるくらい見上げながら
離れ難い衝動に駆られていました♪



名残り惜しや 最後の白山
ここから先は近づきすぎて見えない



山腹の紅葉はあと少しで終わりそう
ダケカンバの白い触手がいい感じ♪

この角度で山頂方向を見るのが新鮮
左の崩落壁は観光新道からも見れるけど

斜めってた!

こうして正面から見るとダイナミックさが違う



気づいたら



11:20  慶松平(けいまつだいら)に来ていた!

濃密な ササの原っぱ



樹林は ブナ/ダケカンバ/オオシラビソ
などが立ち並ぶ

平坦地(700m×200m)そして 湿地帯


名の由来は

福井の豪商「慶松屋五衛門」さんが
ここに室を建てたことからついたらしい


広いとはいえ歩けるところは 道一本!

てくてく 下を向いて歩いていると

えっ!



霜柱?

えっ! スゴッ! それもここだけ⁈

ホントになぜかこの山道の
50cm四方の土だけがニョキっと持ち上がり

生きてるかのような凍りのオブジェ



手にとってみたのは初めてかもしれない

そして驚く! 解けない!!

およそ私の知ってる「氷」の変態ではない

水っぽくない
さしずめ 乾いた氷といったところ

(なに言ってんだろ…)
見ての通り 軽くてサラサラ


いやー童心に返りました!
でも 小学校より今のほうが楽しい

ここも名残惜しいけど Bye-Bye



左(というか北)に 白山釈迦岳をみて



最後はちょっと北東の方角
見たことのある風景が再び巡りくる



別当谷



砂防堰堤群♪



崩落壁



11:40 着いた! 別当坂分岐(1,680m)



ここから先は 観光新道



今来た道 楽しかったー♪

ここから正面に見える山々にむかって

越前禅定道は伸びている
昔の人の逞しさ 信仰の厚さに敬服する



白山が見えないので
別山・御舎利ばかり見てしまう

どこからみても美しー稜線♪
そして 今日は 雪形まで見れた💓

最高―――!


ここまでが 白山禅定道

好天と紅葉のバックアップもあったけど
とても気持ちのいい道でした♪

皆 歩いてほしいなー

私はー
来年は御前峰まで通しで行ってみたいな

筋力維持せんなんね
ブランク作らんようにガンバロー

今日は
ホントは もう少し先にある
仙人窟まで行きたかったけど

ゆったりし過ぎて予定時間をオーバー

このまま 下山します


そういえば 観光新道を下山って…
6年ぶり?

白山登山まだ2回目のとき

上りは砂防新道 下りは…
興味本位で観光新道を下りた

コケまくるわ お尻は打つわ
足の爪は血豆だらけになるわで

それ以来 観光新道を
下りに使おうと思ったことはない

何とも妙な展開だけど
分岐からなら一時間半

今日は楽しめるかな♪



でたっ!さっそくの悪路⁈


眺望は最高♪







紅葉も最高♪


12:40 別当出合 到着

シンドかったけど景色に癒されました♪

登山口付近には10人ほどかな
人が歩いていたり お弁当食べてたり

ちょっと意外だった
(登山道で会ったのは一人だけだったし)

よく考えたら土曜日 そして天気もいい

ほとんどの人が登山目的でないのは
軽装 軽シューズを見れば明らかです

それでもここまで来る人がいることが嬉しい♪
白山が人を魅了してやまないのだと思う

それにしても老若問わずほぼ 男女2人連れ

フーン と
登山センターのベンチでチラ見

ツナマヨ巻きを頬張りながら
スマホの通信機能をONにした

最近 電池の消耗が早い 気がする
そろそろ買い替えどきかなー

カメラ機能がいいやつに…

モグモグタイム 終わり
12:50 徒歩で市ノ瀬へ下ります



この歩きもまた佳いのよー



見よ!この黄金色♪



ループする樹⁈ と思ったら
後ろの樹と重なってただけだった💦



山全体が白っぽくなっていくさまも好き♪



バスから見て気になってた慰霊碑



13:40 かなり下りてきた
ここ 白山釈迦新道へのゲートです
(一般車通行不可ですが)

 この前の道が県道33号で



こんな ヘアピンカーブでしたね
コロナ前 北鉄のでっかいシャトルバスに乗ったとき

ここを180°旋回していくさまを
ハラハラしながら見ていたのを思い出します



市ノ瀬駐車場まで来て気づきました



昭和9年に起こった
手取川大水害の慰霊碑がありました

市ノ瀬集落の人々が多く亡くなられた
未曽有の災害です



別当出合から歩かなければ
ここにあることにも気づかなかった

たまには 遠回りもするもんです♪






標高差 846m
距離  12.1km
時間  7時間55分(休憩とりまくり)

メチャメチャ休憩だらけの山行でした(笑)




1 件のコメント:

  1. たまさん 白山向かわれてたのですね♬ 私も当日は白山行ってました
    めちゃ大気澄んでましたねー 今年は北登山道も制覇されたのですか~凄い!!
    応援してます~ ステップアップ講習会頑張ってましたね♫ またクライミングでも宜しくですー

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