「たま山歩/未踏の山道をもとめて~」
薬師岳圏谷群(金作谷カール)
ここは薬師如来を拝する霊山
古来 山麓に住んでいた有峰村民は
薬師岳を信仰の対象として崇拝していた
山頂に祠を建て 薬師如来像を安置し
毎年6月15日に山頂に登拝を行っていた
有峰村はダム建設のために水没・廃村となったが
有峰林道ができ 登山道が復活した
北アルプス 薬師岳山歩 2日目
御来光に向けて3時半に山荘をでるつもりが
不覚! 寝坊した!
日の出は 4時50分ごろ
50分で行けるということだが
初めての道・暗闇…
遅れをとって “その瞬間” を
逃すなんてことがあってはたまんない
ヘッデンがつかない
トラブルも発生して時間をとられた
スタートは4時近かった
夜景ほどではないけれどきれい♪
富山平野 ホント近いんだよねー
天気は概ね良好
温かい朝だった(白山よりも)
すったもんだしたヘッデンを装着したら
山頂に向けて歩き出す
見たまんまのザレ場
砕かれた石の小片は滑りやすい
表面を掃っただけの小径が登山道⁈
狭い視界にようやく入ってくる
顔を上げたら
先行者の灯りが見えた
ついていきたかった-💦
ザッザッと
礫を踏む音だけが響く
足元に全集中して歩くこと20分
突然現れた
避難小屋跡?
一瞬 山頂かと思った(笑)
稜線上のシルエット
ネガポジがなかなかよい(笑)
空に赤みが差してきた 2分後には
圏谷(カール)が見えた!
これは<南カール>かな
でっかい蟻地獄♪
カールの底は(標高)2,700mほどらしい
さぁ どこからでもお行きなさい
と
言ってるかのような硬質な大地
途中 道まちがえて
後続のカップルに追い越されたり
石に遊ばれてる感アリ(笑)
左隅に ゴール(山頂の祠)が見える
ちっさー!マダマダ💦
で 目的のピークへ
薬師岳の山頂は岩場だった
白山と同じ
火山性の石がいっぱいってことは
昔 このあたりに大きな火山があった
と いうことらしい
白山に似ているといえばこれも
白山室堂-御前峰(高度差256m)
薬師岳山荘-山頂(高度差225m)
御前峰より 30m 低いんや
かかった時間 40分ほど
4時半ごろ 山頂到着
今来た道を振り返り
西側 有峰湖は雲の下
東斜面には南北に並んだ
4つの圏谷(カール)
(国の特別天然記念物)
カールは氷河の浸食でできる
スプーンでえぐったような谷地形
北から
北カール・金作谷カール・中央カール・南カール
山頂直下に広がっていたのは
<金作谷(キンサクダニ)カール>
S字状モレーンで有名-見ごたえ抜群!
を 見下ろすピークは北薬師岳
そのさきの稜線は立山・剱岳へとつづくんだなー🎵
<中央カール>
(烏帽子岳)-赤牛岳-(黒部五郎岳)-水晶岳
雲ノ平-(槍ヶ岳と穂高連峰)等々
壮観!
ちょっと Googleさんをお借りしよう
おー♪4つのカールがよくわかる
(雪で白くなった4つのうねうね)
黒部川に落ち込む谷筋もよくわかる♪
祠を中心にスタンバったひとたちは
すでに(心も)準備はできてるようだ
わたしは まだ居場所を決めかねていた
石積みの祠の向こう側(西側)が 気になり
行ってみると いきなり寒風に煽られた!
寒っ!
山頂だものね 人がいないのは風のせいか
でもそこに広がる風景は極上だった♪
ここで待つ と決めた
後ろ立山連峰丸見え♪
待つ人たち🎵
カウントダウンはとうに始まってる
“刻一刻” ってまさにこのこと
カールの向こうに幾重にも重なる稜線
その奥を見つめていると…
4時55分 きた!
神々しいー♪
沁みる💓
ご来光を見れたことで
自分が神さまに受容されたような気になる
日日是好日
今この瞬間を大切に生きる
神さまがくれた命が尽きるそのときまで
ご来光を浴びて輝く標柱🎵
そして新しくなった祠
薬師如来さまがおられます
願いの証の “鉄剣” は
祠の周りに累々と積み上げられたとか
5時過ぎ 下山
こんな道だったんだ…
明るくても要注意 滑りやすい
有峰湖 見えた♪
金作谷ほど急ではないけど
中央にしっかり堆積堤が残る
カールだなー♪
上りで山頂と見まちがえた石積の避難小屋
稜線にでた目印でもあったみたい
薬師岳山荘への最後の下り
昨日 着いたとき
ビールを空けながら見やっていた斜面
ハイマツを縫うように
つづら折りの山道が刻まれている
そう言えば 右に左に
やたら方向転換させられてた気がする
すでに忘却の彼方( ̄▽ ̄)
6時前 山荘到着
すぐさま食堂に駆け込む💦
塩分しっかり補給
ご飯がすすむ君バージョン朝食♪
お腹を満たしたらさよならです
下り始めて20分ほど
雲上の彼方に 白山が見えた!
まだ雪形が残る 独立峰らしい
シルエットが美しかった♪
さて
感得のご来光が見れて
美味しいご飯も頂けて
これ以上何を望む⁈
じつは
ただひとつ 心残りがあった
それは
“雷鳥” に逢えてなーい!!
ことだった
昨日は 薬師平で出逢った男性を筆頭に
目撃情報も多かったから
メチャメチャ期待してたわけ
山荘の周りで花を撮りながら
それとなく探してみたけど✖
ハッキリ言って諦めていた
今日だって天気がいいから
(晴天時は警戒してでてこない)
きっとこのまま逢えずに帰るんだ
(イジイジ)
と思っていたら
逢ってしまった・・
かわいい・・💓
灌木の茂みから顔だけ出していた
怖がるようすもなく
首は動かしてるけど
逃げることもなく
ただただ静止している
あまりに動かないもんだから
少しづつ移動して
角度を変えて撮影会w
ギャラリーは5~6人に増えていた
それでも逃げない
ってか 動いてほしいー!
願いは届かず
けっきょく根負けしてその場を離れた
まぁ今回はたくさんもらったし
北アルプスにまたおいでという
神さまのメッセージだと思おう
下りは早い( ̄▽ ̄)
薬師平を抜け
岩の巣を飛び越え
沢水を踏み
薬師峠に着いた
来るとき気になってたキャンプ場
の ための水場
美味しい水 いただきました♪
ここは鞍部
さぁ 上りますよー(苦笑)
急ぐ工程でもないので
自分のペースでのんびり歩いた
木道が尽きたところは太郎平小屋
振り返って薬師を仰ぐ
ありがとう しか言えない♪
休憩しようとしていたら
バタバタと聞き覚えのある音がする
辺りにいた人が動いた
わたしも自然と足が向いた
青いボディのヘリは昨日とは違う
機体には「富山県警察」の文字
ヘリが小屋の裏側の空き地に着陸すると
水色の上着を着た人が
支えられながら乗り込んでいった
大けがではなさそうだったけど
捻挫ひとつにしたって
歩けなければお世話になるしかない
ケガは下山中に起きることが多い
心しよ と思った
そういえば以前 取立山で見た
(雪山での救助訓練)
福井県警のヘリも「青」かったなー
カッコよかったなー
もちろん このヘリも
あ でも自分がお世話になるのはご勘弁💦
時間は9時前 お昼ごはんには早い
そういえば太郎小屋に入ってなかったな
と思い のぞいてみる
おにいさんがひとり対応にでてくれた
「薬師岳・太郎平小屋・2926M」
と 銘打たれたバッジを買った
Tシャツはあるかと聞いたら
正面奥の壁に寄せてあった平台を
ゴロゴロと引いてきてくれて
気がつくとそこに レジェンドがいた
この小屋の主「五十嶋」さんだ
サイズの確認をしただけだけど
声が優しくて
笑顔がステキな人だなと思った
これはもう 買うしかないw
気に入ったのはこれ
ローマ字のロゴを見てるだけでわくわくする
いつか歩けるときが来るんだろうか
単なる記念にしておくのはもったいなすぎる
そういえば
その縦走をしにきたという女性がいたっけ
薬師岳山荘で知り合った若い女性
チェックアウトのとき
それはそれは丁寧に
感謝の言葉を述べていたのが印象的で
言葉を交わした
ソロ山行でこのあと雲ノ平へ向かうという
まだあと2泊するとか…
山頂ではご来光ギャラリーの先頭で
カメラをセットし日の出を待っていた
雷鳥のところでは動くまで待ってたらしい
(家康みたいやなー)
なんというか “本気” を感じた
好きなもの(山)に向かう熱量?
来週は花を期待して白山に行くというので
お花松原のことを伝えると喜んでいた
いいなぁ 若さだなぁ…
“山が好き”
これだけでお互いが幸せな気分になれる
いい山行だったな
と すでに終了気分w
彼女はここで進路を山奥深くへとる
こちらは折立へ
奥黒部登山の要所なので
宿泊する人も多い太郎平小屋
この小屋の歴史と自分の山歴史が
交錯するひとはたくさんいるのだろう
大変だろうけど幸せな仕事だな
と 思う
下山 再開
とにかく怪我をせぬよう
嫌らしい石は
できるだけ避けて歩くことを心掛ける
剱岳立山が見えてくるとテンション上がる♪
有峰湖 帰ってきたぞー♪
下りはストック持ち
疲れた身体が後傾にならぬよう
樹林帯の日陰は有り難かった💦
折立登山口 到着
この案内図
上るときは意識の外だったのに
今見るとメチャメチャひっかかる
見てしまった景色 踏んでしまった稜線
“可能性” という誘惑がちらつく(笑)
今回の薬師岳山行の記録
同伴者がログをしっかりとってくれてて
いろいろサポートしてくれました
まっこと 感謝します♪
登山時間
7時間39分+8時間43分=16時間22分
休憩時間
1時間9分+2時間19分=3時間28分
距離:22.6km
最高標高:2926m
累積標高:1880m
1日目7時登山口気温:17℃
2日目13時登山口気温:26℃
ということです
お疲れさまでしたー🎵
◆「薬師岳-前編」一日目はこちら
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