2020/10/20

TAMA-SANPO㉞~登山道というより登城道⁈楽しみかた再発見!爽秋の「一乗城山」~2020.10.18

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


【一乗城山(いちじょうしろやま)標高 473m

戦国大名の朝倉氏が築いた
一乗谷城のあった山

一乗谷城 

1573年に 織田信長と朝倉義景の間で
行なわれた合戦で 周囲の市街と共に落城

400年近く放置されましたが
現在周囲は遺跡公園として整備されています

麓には一乗谷川/足羽川が流れています


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


大河ドラマが好きだ♪

若手のイケメン俳優を起用してくれる
NHKの太っ腹に感謝したい♪

で 今年は主役が「明智光秀」

謎が多い人物だったらしいけど
ここ福井の一乗谷とは実際 縁があったらしく

年明けからNHKは

特番組んだり(ブラタモリとか城特集)
とーぜん紹介に躍起になる

そんなことからここ一乗谷を知り
年内中には訪れたいと思っていたら

「(爽秋の)山城見学会」なるイベントを
一乗谷朝倉氏遺跡資料館さんが立ててくれたので

便乗することにしたのでした♪



9:30 解説員のKさんのお話を聞いてスタート

頂いたイラスト地図がわかりやすいかも




矢印とオレンジペンで塗ったところが順路

行き:資料館駐車場→馬出ルート→山城 
帰り:山城→安波賀ルート→資料館駐車場



資料館の前の道をしばらく歩きます



途中見つけた石だらけのお地蔵さま?



目印の石碑
ここを右に入っていくと



下城戸

ブラタモリでタモさんも仰天してた巨石の門
ここが一乗谷の北端で谷幅が最も狭いところらしい



一乗谷川 に沿って歩きます

ちょうど飛来のシーズンなのか
川辺で黒っぽい鴨らしき鳥をたくさん見ました

うららかな陽射しと水面の鴨

まさに爽秋を感じつつ 幸せ感いっぱい♪



八幡神社




の すぐ横にある「馬出(うまだし)ルート入口

このルートは 大手道とも言われていて

石垣/小城跡/石仏など山城に関連する
遺構や遺物を見ることができるそうです


山頂までの距離 約1.5km
山頂までの時間 約1時間 

「曲輪」「空堀」「堀切」「土塁」「畝上竪堀」

これらの意味を徐々に知っていくことになります



登山道入り口
ここからが本格的な山道



急斜面が延々つづきます
土が湿っていて気を抜くと滑ります
(ってか…こけた💦)



お友だちのSちゃん
上りが苦手と言ってたけど大丈夫みたい♪



平坦な場所にでたので小休憩中

福井新聞の記者さんが同行していることに
今、気づく(長靴カッコいーなー)

で この平坦部は「※腰曲輪(こしくるわ)」?

※山の斜面を削って平地を築いた曲輪
敵を誘い込んで掃射の場として使った

…なんてことが容易に想像できるわぁ~♪



すぐ近くには

小見放城(こみはなちじょう)

という小城が作られていたらしい



この巨石の表面には地蔵菩薩が線掘りされています
角度が悪くわかりづらいですが💦…※磨崖仏です

※移動不可の自然の岩壁や露岩/転石に掘られた仏像



分岐に来ました ※英林塚って?

※戦国大名朝倉氏初代孝景のお墓



英林塚はこの先にあるそうです
反対側に向かって歩きます



不動清水(ふどうしょうず)

唯一の水源らしいですが水はナシ



有名な「笏谷石(しゃくだにいし)」
不動明王が掘られています


笏谷石と知って急にそわそわ…(苦笑)

足羽山で採掘されるんですよね

青緑色で水に濡れると深い青色に変化する
美しくて加工もしやすいから昔から人気♪

三国湊から北前船を通じて全国に運ばれたそうです

「火山礫凝灰岩」

で ここでKさんから資料を見るように言われます




じつはこれ縄張図といって城歩きをするとき
とっても重宝するものなのです

※縄張図って…

※現状の遺構から曲輪や防御施設の配置を読みとり
城の構造をわかりやすく示した図面のこと

確かに…遺構の位置や規模がわかりますね


現在地が 不動清水あたり

下(南)に向かって登っていく感じですね



縄張図でいう
不動清水と千畳敷跡の文字の間にある真っ白なところ

平坦な地面が広がっています
左側は斜面を削って切り落としています

こうして人工的に断崖とした構造を
「切岸(きりぎし)」というそうです



千畳敷跡

ここが一乗谷城一番の中核となる ※曲輪(くるわ)

※曲輪というのは 城の内と外を
土塁や石垣や堀などで区画防御した平らな空間

ここは1,500㎡の広さがあって

朝倉館と同じくらい大きな建物があったと思わせる
「礎石」があります



これが礎石 並んでいるのがわかります

ただ生活用品(お茶碗とか…)が出土していないので
ここで人が暮らしていたかはわからないんだそうです



一乗谷城本丸跡

不動清水/千畳敷跡/観音屋敷跡/宿直跡…
縄張図を見ると四角い平面がつづいてます

方形区画群というそうです


千畳敷の隣の区画に石仏のかけら



観音屋敷跡

ということでここは
宗教施設があったと考えられています

三方が土塁で囲まれた約400㎡の平坦面


そしてもうちょい進むと見えたのが…



お昼ちょうど 今日一番の絶景ー!(覆面で失礼w)

福井平野を見渡せました!
風力発電施設や三国港?までも…



少し左に目を移すと…これこれ
この筋状の谷あいが一乗谷らしさ♪

南北約3kmの一乗谷(城下町)を実感



見晴らし最高! 狼煙もよく見えそうです♪


ここで 昼食休憩

小見放城辺りから仲良くなった福井在住の
トレランにーさんと話が弾み

写真を撮り合いっこしたり情報交換したり



ホントめちゃ楽しいんですけど…🎵

(覆面取り忘れてる💦)

あ ここ 宿直跡(とのいあと)っていいます

ちょっと読めない字ですけどね…💦

ランチタイムが終わったら山頂目指して移動です
そう ここはまだ終点じゃない!



縄張図にある「分岐点」を折れます



※堀切

※曲輪や集落の周囲の地面を掘って切り通した堀



一の丸跡

広さ1,100㎡の楕円形で西南側下段に
約250㎡の突出した平坦面を持ちます

周囲には空堀がめぐり北東側裾にいくと
竪堀がありその下には下段の曲輪が広がっています

二の丸に行く途中に2条の堀切があります
☝(案内板より)



堀切



二の丸跡

一の丸とは2条の堀切で区画されており
広さ約570㎡の楕円形の曲輪が頂上にあります

また二の丸向かい側には
幅16.5mを測る大きな堀切があり

堀切の中の土橋を渡ると尾根筋には

「伏兵穴」と呼ばれる
直径3mの窪みが多数確認できます
☝(案内板より)



※畝状竪堀

※横堀の底に土手を設けて敵の堀内移動を封鎖する



三の丸跡

そう 山城はここまで
でもまだ先があります

これら 一の丸/二の丸/三の丸を合わせて

連続曲輪群 と呼びます
(曲輪が連続して配置されてる)



堀に一旦沈み込んでの急坂 ロープ付き💦



そう ここが山頂でした!


そしてそして
今日は見ることが叶わぬかと思っていた…



白山が見えた!

無理かと思ったけど(マジ小さかった)
iPhone ありがとう💓

よくぞ捉えてくれた!

じつはこの日は今シーズンの初冠雪だったのです

雪を戴いた白山を一乗城山で見れた!

いい記念になりました♪



足羽川の堤防?
グッドロケーション♪



帰りは「下城戸(しろきど)ルート」で下山です

解説員Kさんが

馬出ルートよりは「なだらか」だといってたけど
なかなかどうして油断のならない道でした

雨が降ってぬかるむとヤバい感じです

帰りは行き以上に話が弾みました♪

名まえも知らない方たちだけど
お互いに知らないことを教え合ったり

驚いたり…

そう驚くといえば

いかにも城マニアといったいで立ちの父娘!

小学生?の娘さんがザックを下ろしたときに
見てしまったTシャツの背中

「天下布武」の4文字!

そこからお喋りがエスカレート!

お知り合いの女性曰く

自分たちにとって重要なのは「城」
山歩きはついで…なのだそうです

自分とは反対の嗜好に思わずニヤリ♪

今回同行させてもらって
山の楽しみ方がまたひとつ増えました♪

景観(ジオ)・高山植物・山岳信仰・テン泊・グルメ
…に追加して

「山城」決定ー♪

天然の要害/防御機能を備えた土木施設

自然(の地形)を活かした人の智慧が宿る山

あー興味は尽きません💦



と言ってるうちに安波賀(あばか)登山口に到着

イノシシ用の防御ネットがあってびっくり!

ファスナーを開け かいくぐってでてきました

因みに「下城戸ルート」は
(安波賀ルートともいうらしい)

山頂までの距離 約1.8km
山頂までの時間 約1時間半

ってことは 総長3.3km
休憩入れたら3時間で戻れるお山ってことかな

しかーし
ハイキング気分でくると痛い目に合うかも

山道はしっかり山の道でした

休憩たっぷり ゆっくり歩きだったので
疲れはさほど感じませんでしたが

下りるとき 忘れていた右ひざ痛が発生!
山をなめてはいかんと自戒を込めました



一乗谷川を渡ります



途中渡った踏切からみた鉄橋が素敵で…♪



反対側の線路も素敵で…♪



15:00 資料館へ向かって ジ・エンドです




初めてのお山 いつものように一人で行ってたら
出逢わなかったひとたちと歴史の面白さ

ただ下を向いたまま 何にも気づかず歩いて
そう…3時間で戻ってくるお山でした

ガイド付きって楽しい!
お城っておもしろい!

そしてまさに絵にかいたような爽秋の秋晴れ
前日が曇りがちだったから嬉しさひとしお!

山歩のあとは資料館で展示物を見て
(なんとこの日は入場無料!)

麒麟がくる!の世界観に浸りました♪

朝倉氏遺跡は時間的余裕がなく
いつかのお愉しみにしましょ♪

そして


山城の情報探しをしていて大変参考になった
サイト nippon.com さんです

私的にメチャメチャわかりやすかった!

ありがとうございます(ペコッ)



おまけ♪



福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
〒910-2152 福井市安波賀町4-10
☎ 0776-41-2301
HP  
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