「たま山歩/未踏の山道をもとめて~」
【法恩寺山(ほうおんじさん)】標高 1,356m
福井県勝山市にある山
平泉寺白山神社を起点とした禅定道の通過点
西斜面には「スキージャム勝山」が広がる
西斜面には「スキージャム勝山」が広がる
山名は 泰澄大師がこの山で法華経を読む
老翁に出会ったことによるとされている
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
先日 経ヶ岳を歩いたのはまだ記憶に新しい
あのとき山頂で別ルートから上がってきたグループを見て
なるほど「法恩寺山」からも来れるんだ と納得
福井の絶景を堪能したあとだったので
この山も早々に歩いて見たいと思っていた矢先
石川県の観光マイスターから
ドリームナイト出演の打診あり
ドリーム常連講師なのでもちろん快諾
テーマを聞いて驚いた!
「白山信仰⁈」
恋慕が引き寄せたか⁈ 山行決定
理由はそれだけじゃない
この山は古来より白山への登拝道である
白山禅定道のひとつ「越前禅定道」の通過点で
起点は平泉寺白山神社
いにしえの登拝人が歩いたルートを辿れる
そう思うと わくわくが止まらなかった
かなり厳しい道のようだけど
白山の神さま(菊理媛)が
“今 来るべし!”
と 言ってる気がしてならなかった
決めたら情報を集める
今回は平日で “おひとりさま” 山行なので
慎重にも慎重を期する
登山情報サイト・登山アプリ・天気
特に最近お世話になってるYAMAP(登山アプリ)
歩きたいルート・時期・山行スタイル等
欲しい情報が記録としてあり
自分なりの登山計画書を作成できる
ルート・予想時刻・天気・道路事情・諸々調べ
最後にネットで登山届を提出
よし!
“まるで歩いたことがある”
くらいまで自分に落とし込んだ(つもり)ら
いざ決行!
朝 6時50分
平泉寺白山神社に着いた
国道157号線を南へ 谷峠を越え勝山市内へ
およそ1時間20分 のドライブ
「歴史端探遊館まほろば」の近くに
登山者向けと思われる案内板があったので熟読
確認して 神社入口へ
その前に 神社マップ発見
こちらはチラ見程度
じつにわかりやすいんですが
山行のことしか頭になかったので
よく見てなかった あとで悔いることに
神社前 日本の道百選に選ばれてる参道
スタートは 7時10分
登山道入口からスタートするか?
と 迷ったけど ここからにした
朝の光がまばゆい「一の鳥居」
神仏混合の証だという
中央に屋根のついた「二の鳥居」
少し舞上がり気分
そのせいか
目の前の表示を鵜呑みにする
「法恩寺山登山口」しか目に入らなかった
左だな と 思うよねー(強要)
拝殿で手を合わせ 戻って左へ行く
確かに「法恩寺山登山口」と書いてある
疑いもなく歩く
こうあるから橋を渡り 進むけど
沢を渡ったり 戻らされたり
どうも様子がおかしい
道は道でも歓迎されてる感じじゃないんだなー
禅定道だよー1300年の歴史があるんだよ
何千?何万?もの人が歩いた道だよ
なんか先細りで不明瞭?
(ざわつく胸の内 かすかな苛立ち)
ここでようやくYAMAP地図を見る(遅い)
ズレてる( ̄ー ̄)
設定したルートから併行にずれて歩いていた
なんで?
とりあえずさっきの橋のところまで戻ったが
別道があるようには見えない
「法恩寺山」
確かにこの道でも行けるのかもしれない
(マニアックな気がするが)
でも私が歩きたいのは禅定道なんだ!
(正規の道かどうかは?だけど)
その道でなければ 意味がないんだー!
(拘り)
も少し戻ってアプリを触る
どうしたら「正規」の道に戻れる?
ぐるぐる動かしていたら
目の前にあるフェンスの向こう(山側)に
あることがわかった
方向もライトみたいな印でわかる
わぉーなんて優れもの!
こんなこと今まで気づかんかった💦
迷いは無くなった!
フェンスを乗り越える
目標!「白山禅定道登山口」
で 藪の中をしばらく歩いたら石の参道にでて
登り切ったところにお社がありました
「三ノ宮」
安産の神さまということですが
この際 何でもいい
(しょっぱなからコケてるが)
再びの 安全祈願(合掌)
顔を上げて左を見ると 念願の標柱がありました
加賀禅定道(白山禅定道)登山口(ホッ)
ホッとした と同時に気になる時間
8時になろうとしていた
うーん 一時間のロスかー
でもまー まだ許容範囲だし
目標は 午前中に山頂到着なので
気持ちを整え 神妙に
登山口のゲート(獣除けの柵)を抜ける
注意喚起の看板 さっきの登山口にもあった
熊問題はどこも同じ
平泉寺でも参詣者向けに “熊鈴” の貸し出しをしています
彼らはいつも私たちを見ている…らしい
さぁ 楽しい山歩きの時間ですw
まずは 三頭山まで3kmの急登かー行ってみよう💦
登山道の左側を平行に走る谷
高さは7~8mはあろうか
さっきまであそこにいたのかと思うとゾッ
よくよく地図アプリを見ると
この登山道はある地点でこの山道に合流している
(三頭山手前に接する点線)
そしてスタート時の迷走ぶりに苦笑い
登山道は見ての通り等高線の幅が狭い
要するに 急なわけで そこに
杉の枯葉とか
広葉樹の落葉とかが折り重なる
初めての道 先が見えないなか
体力・筋力を無駄にせぬよう
心拍数が上がらぬ程度でゆっくり歩く
今日も初めはノンストックで
10分ほど歩くと開かれた空間に社が見えてきた
最初に現れた 禅定道の遺構
「剣之宮」とある(合掌)
白山禅定道十二宿の第一宿
かわいい
杉林かと思えば ブナ類も混じる 群れる
ここなんか 尾根の左右で植生が違う
なんでもいいか 癒されるなら♪
なんて言ってる余裕あまりなし
倒木も多いし 激急なとこでもロープないし
やたら杉の小枝が足に引っかかる(一度コケタ)
やっぱりこの道 シンドイとこが多い
だってこうだもの
(YAMAPさん お借りします)
急なのは2ヵ所 最初と最後
要するに 今歩いてるとこと(左端)
法恩寺山への直前アプローチ(中央)
今さえ乗り切ればあとは何とかなるだろう
などという 楽観とは裏腹に
徐々にひざ下が違和感を訴え始める
足裏を地球と平行にしたいのに
させてくれない登りが延々続く
ふくらはぎが伸びきったまま歩かされてるわけ
前に 伊吹山で経験したゲレンデ歩きと一緒だ
単調で登り一辺倒な道ってメチャ疲れる
そういえばすぐ横
“ジャム勝(スキー場)” なんですけど💦
ヤバいなー
このところ 攣るのは太ももばっかりで
ひざ下対策してこんかった
とにかく 芍薬甘草湯を飲んだ
コンビニで買った 輪切りレモンも食べきった
甲斐もなく ふくらはぎが鈍く痛み始める
スタートから40分
目の前に現れた案内板には
平泉寺と白山禅定道について書かれていた
平泉寺について
平泉寺は白山への登拝口として開かれた山岳寺院
中世の最盛期には、48の社、36の御堂、6000人の僧坊があった
1574年、一向一揆のとの抗争に敗れて全山消失
その後、僧坊の多くは山林や田畑の下に埋もれる
白山禅定道について
白山へは、平泉寺・白山本宮・長滝寺を起点とする登拝道が延びていた
特に平泉寺からの道は、泰澄が開いた重要なルート
この道は、三ノ宮裏手を起点に「三頭山・稚児堂・法恩寺山頂・白山伏拝・小原峠・三ツ谷・市ノ瀬」を経て、現在の観光新道に近いルートを通り、室堂から白山頂上に達した
その途中には、さまざまな宗教施設が設けられ、行場・宿泊所を兼ねた多くの室が確認されている
平成8年11月、この白山禅定道は「歴史の道百選」に選定された
(勝山市平泉寺町平泉寺から小原峠まで)
google検索で クゲヌマラン とな?
この山道にあって貴重な「花らしい花」
そこから15分
三頭山への分岐現る 振り返ったところ
左が今来た道 右が三頭山への道
0.1kmと書いてあるけどそんなにも歩かない
で また戻ってきます
三頭山(ミツガシラヤマ)(標高 777.5m)
縁起のいい数字が並ぶ この先に幸せはあるのかい
でも 初めての眺望らしい眺望w
スキージャム勝山のベース施設
ホテルハーベストが見える
ここでは10年以上滑ってない
ちょっと懐かしい♪
時刻は9時 ここまで一時間かかってる
ふくらはぎの痛みは消えないけど
引き返すことは頭になく
次の目的地は 中ノ川避難小屋
約3.3km
その手前で林道とクロスするはず
リスタート!
ササが目立ってきました
相変わらず眺望はなし
トレッキングポールも使い始めた
少し楽 騙し騙し歩く
熊鈴もジャンジャン鳴らしてる
ここまで誰とも出逢ってない
出逢う気もしないw
わりと大きめに 独りごとを言いながら歩く
近くにいるであろう熊さんにわかるようにw
ブツブツ ベラベラ ほぼ愚痴だけど
俯いているだけより精神的にいい気がする
あーおも…
Googleさん「アオダモ」と出た
おっ
待ってたよー林道!
ここまで車で来て法恩寺山に行く人もいるらしい
GoogleMapで見たら近くに
小さいけど駐車できそうなスペースあり
三頭山から ここまで45分(フーツ)
そしてここからラスボス(法恩寺山)までは
2.7kmときた
禅定道の遺構が いろいろ現れるらしい
矢印ちょっと先に開けた場所があった
「稚児堂跡」(児卒塔婆 チゴソトバ)
児卒塔婆は稚児堂跡とも呼ばれている
人工的に造られた平坦地や土塁跡、中世の石塔(五輪塔など)が残っている
名の由来は、平泉寺隆盛の頃、和光という稚児のあとを追って弁の君が近くの滝壺へ身を投げ、その供養塔から名付られたという
身を投げた滝の名は「弁ヶ滝」というらしい
そういえば地図にあったな
一読して通り過ぎ すぐに現れた分岐柱
迷った
⇧ 法恩寺山 ⇨ 弁ヶ滝 ⇩ 三頭山 とある
⇩ は戻れだから無視
⇧ はササでボウボウ
⇨ はスッキリ広めの道
多分に気分的なものだけど
ササ藪の中へスッと足は出にくい
ホントに?こっちでいいの?
疑いながらYAMAP見るとまっすぐ行けという
しゃーない行きますか
狭い道は長くはつづかず
やけに石ころが目立ち始めたような
再びアスファルト舗道現る
車一台分の幅しかないけど
通る人おるん💦
渡って進む
いらっしゃーい!の樹w
オトシブミ この辺にゴロンゴロン落ちてる
右になにやら建物(寄ラナイ)
その先は広いスペースと道路 一瞬足が止まる
左へ行くといきなり現れた
「中ノ川避難小屋」(標高981m)
ホント情報にあった通り 立派な建物でした
ただ 登山者が使うものには見えなかった
入口には薪が山積み
パーティでもあるんかな
さて 相変わらずわかりにくい
ここからどこへ行けばいい?
小屋の右側にピンテ発見
法恩寺山まで あと約2km
見通しのいい林の中の一本道
こんな天国 つづくわけない
ほらね(いよいよですか💦)
これぞ
修験の道 って
雰囲気があってメチャメチャ好きな景色の中にいる🎵
好きー♪
と 大声で叫んでみた(半分やけくそでw)
ふと 終わりが見えないコレ(階段)の数が気になった
数えてみよう( ̄ー ̄)
イーチ ニーイ サーン シーイ ゴォーオ・・・
最初に軽く70段を超え
そのあとも 30 20 ・・と続いた
100段超え 確定!
終わったかと思ったら今度は
自然石のカーペット
うまい具合に敷き詰めてある
その次は
木板
ちょっと朽ちてて危なっかしいけど
これってなんか特別な石ですかねー
これでもか
これでもかとつづく
ガンバレ アタシ💦
と 突然 視界が開ける
あれに見えるは リフトではないか?
おーここは ジャム勝の Top of mountain⁈
横から見ると 気持ち良さげな斜度♪
歩く身には堪えるけど(苦笑)
最上部のリフトが見えたということは
こっちの御山のフィニッシュも近いということね!ね!
期待するんじゃなかった
その後 15分歩かされ やっと現れた標柱
あと300m⁈💦
お出迎え
⁈
頂上近くになって突然現れたアナタハナンデスカ?
法恩寺(法恩教寺跡)
法恩寺は、越前(白山)禅定道に関連した旧跡
この平坦地は人工的に造られたもので、南側に風よけの石垣、西側には石畳の一部が露出している
平泉寺隆盛の頃、白山登拝のための宿泊・休憩所を兼ねた建物が建っていた場所と考えられる
名の由来は、泰澄が白山登拝の途中、この地で法華経を読誦する老翁に出会ったことによるとされる
昔々 法恩寺という宿坊がここにあったのだといってます
これが いにしえのロマン “遺構” でした
坊の少し先には小さな池
その中に 寄り添うように無数の卵塊?卵嚢?
カエル? サンショウウオ?
なんにしても夏になればこの池
カラカラに乾いて跡形もなくなるんだろうな
オオカメノキ
あと少し
法恩寺山(1356m)到着!(11:35)
ガンバッタワタシに拍手💦
そこそこ広い山頂 見たい景色を探す
これだ 白山 別山
よかったー(ホッ)
雲が多いから見れないかと思っていた
展望台があったので
上って見てみよう
苦手な山座同定 でもこれがあるのだ♪
鉢伏山・白山伏拝・大長山
刈安山・別山・小原峠・三ノ峰・赤兎山
凄いなー♪壮観だなー♪
まだ歩いたことのない山が目の前にズラリ
できれば 伏拝まで行ってその名のごとく
白山を遥拝したかった
ここを下りて行けば20分で着くらしいけど
帰りの余力があるか心配
それほど今日は堪えてる
今日行かなくてもこの景色で十分満足♪
ここから拝ませていただきます(合掌)
おっと忘れてた!
経ヶ岳方面は木が邪魔して見にくく
北側ときたら雲しかなかった
気になる
予報では降らないはずだけどここは山だからなー
法恩寺山は白山禅定道の第三宿
この先は
白山伏拝ー和佐盛ー小原峠ー三ツ谷ー市ノ瀬ー
六万山ー檜宿ー剃刀窟ー慶松室平ー室堂ー白山
とつづく
市ノ瀬から白山までの道は登拝済みだけど
白山伏拝から三ツ谷は未体験
そうとうな難所らしい
無理して歩くつもりはないけど
気にならないといえばウソになる
ここまでもかなりの痛みをもらった
忘れないよう神さまがくれたのかもしれない
そう思うと 痛みもまたありがたや
と また手を合わせてしまうなw
ホント 空が心配
12時もまわってることだし急ごう
パンパンに突っ張ったヒラメ筋をなだめすかし
梅干おにぎり・バナナ・キーウィ・クエン酸
アミノ酸・芍薬甘草湯(2包メ)etc・・
あるもの全部胃に流し込んで 下山です
ショウジョウバカマがチラチラ咲いていた
下り始めて1分 初めて人(男性)とすれ違う
さぁ行くわよー!!
下りって視界が広くなるから
いろんな造形が飛び込んでくる 愉しい♪
クロモジだらけ
気が付かなかった
このこ 樹皮が全部ハガレテル
林道が平行に走ってる
この先2分後にクロス
樹海の森へw
唯一 咲き誇ってた樹
群れるブナw
あれほど往路で私を苦しめた急登
帰りはスイスイ
このあたり
剣之宮に戻ってきた
木の墓場かい⁈
生命♪
登りのときは裏側で気づかなかった
ただの厄介な倒木って思ってたけど
反対側
圧倒される
合唱する森🎵
ホントに森の雰囲気は最高なのよねー
登山口着
最初の御礼は「三ノ宮」
しつこいようだけど安産の神さまw
長い参道を下りてきて最初にくぐった鳥居に見惚れる
参道に近い方から順に手を合わせる
「別山社」
「本社」
「大南知社(オオナムチシャ)」
この景色 絶対忘れない!w
(右が白山への道)
「ご神木」
泰澄大師が植えられたという杉の樹
「御手洗池」
泰澄大師が白山の神に出会ったという池
神秘的な美しさがありますね♪
「御朱印」
境内をまわったあと社務所に行っていただきました
人はおらず
日付の入った状態で外に置かれていました
御朱印の無人販売⁈ ですよね
にわかに信じられませんでしたが
善意に任せてくださる ということ?
感服いたしました
お値段は¥200/枚(安くないか⁈)
これも今回の目的の一つで
ずっとザックの中に入れて歩いてました
あーだから?
足が重たかったのは神さまを背負いすぎたせい?w
宗教都市 平泉寺白山神社
その響きになぜかひっぱられる
隆盛を極めたころの白山三社(三馬場)に
タイムスリップしてみてみたい
誰か 歴史ドラマ化してくれないかなー
今回歩いたのは越前禅定道の入り口
これはいつもの登山とは違う
思った通りハードな道のりだったけど
それは折り込み済みの 禅定道
いにしえ人になったつもりで歩く
ただそれだけで満足なんです
しかし正直 相当堪えた💦 ので
一人では二度と歩くことはないでしょうw
これで 加賀禅定道・越前禅定道の
主要ルートは歩きました
残すは 石徹白 美濃禅定道かー
ハードル高ッ
誰か私を連れてってくれる人いないかなw
ありがとうございました🎵
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