2024/06/17

TAMA-SANPO-68~「オオサクラソウ」に逢いに白山釈迦岳(前峰+湯ノ谷乗越の先)へ🎵~2024.6.15

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


【白山釈迦岳(はくさんしゃかだけ)標高 2,053m

白山主峰の御前峰の西方にある山

市ノ瀬にある白山温泉を起点とし
十字路である七倉ノ辻に至る “釈迦新道” の
途中に位置する

もとは その山肌のようすから
「鎧岳(ヨロイダケ)」と呼ばれていたという

登山道が釈迦岳頂上を通らないのは
営林署が巡視用歩道として開設したため
(登降箇所を少なくした)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


白山周辺の山というのはとにかく崩れる
雨が降っては崩れ 雪が溶けては崩れ

小さな崩落なら毎日でも起こっていそう

釈迦岳へ導いてくれる登山ルート“釈迦新道”も
そんな”崩れ”のせいで久しく入山規制がされていた

解除されたのは去年(2023年)のこと

“行きたい!” と思ったけれど
タイミングが合わず 行けなかった

今年こそはと時期を見計らっていたところ
最近 有料会員になった “YAMAP” で

“オオサクラソウ” が見ごろと騒いでる

花のことはよく知らないけど
行くなら「今」でしょ♪ ということで

万事調整して 週末山行となりました



<釈迦新道/白山禅定道 登山口>
(標高887m?)

おひさしぶりの登山口
たしか3年前だね 白山禅定道を歩いたの

燃え上がるような紅葉の舞いが忘れられません


その登山道から地図アプリを起動
6時20分スタート

さぁ 元気に行ってみよう!


今回は山友Nさんが先導してくれるので
ちょくちょくバックショットで登場しますw

そうそうやっぱり杉林からスタート
禅定道らしい“趣き” が感じられた前回と違って

今回は “叢” の湿感がつよい
6月だもの あたりまえかw

ひさしぶりの山行だったのもあって
お喋りに花が咲く

20分ほど歩くと 分岐に来ていた


(標高1,000m地点)

目の前には白山禅定道が開けているけど
今回は左へ 暫く林道を歩きます

白山釈迦岳前峰まで 5.6km



思うところは一緒?
と思われるハイカーさんがちらほら

土曜日だけど静かなもんです
皆 白山(御前峰)狙いで別当出合へ行ってる

ここは一般道ではなく工事用道路
土砂崩れが起きた現場は

通れるようになったとはいえ
まだまだ工事はつづいている

車ならあっという間だけど
緩い登り坂 2km以上歩きます



<白峰神社> 合掌


30分ほど歩くと見えてきたシェッド
屋根の上には草木が育っている

川のせせらぎを聞いて思わず歩み寄る♪



林道横を流れる湯ノ谷川には “治山ダム” が造られていた

そう

湯ノ谷川は 林野庁の所管なので
砂防堰堤 とは云わず 治山ダムと云います

同じものだけどw

思わず ときめく💓
先を急ぐのでシェッドの中に入ると



スッキリしてる さすがコンクリート



と 思ったけど 天井がこれ
通り抜けた先で目にしたのが



崩落個所


崩れた土石は護岸にまで達していて

かつて使われていたであろう橋が
頼りなげに架かっていた

ダムには歴史を感じる
おそらく これと(上流)



(下流)このダム群で かなりの
土石を捕捉したことだろう



で これが 現在の(仮設?)橋
手すりもついてりっぱなもんです



もっとじっくり見ていたかったけど
そうはいかないので…

うしろ髪ひかれながらこの場をあとにしました



<殉職者慰霊碑>

草の冠を戴いて
周囲に溶け込んでいる佇まいが印象的でした

もう誰一人として犠牲になりませんように
工事の安全を祈ります

そこから2分
ありました 今度こそ本当の



<釈迦新道 登山口(標高1,115m)

釈迦岳まで 3.9km
室堂まで  10.9km

市ノ瀬まで 4kmということは
なんと!すでに 半分 歩いてきている
(約1時間)


それにしても…
あまりにも控えめな入口で

気づかずに通り過ぎそうになりましたw



鬱蒼とした樹林のなか
有りますよねー 倒木



 くぐれますけど

本格的に汗をかかされます
じみにキツイ登りです

木陰であることがアリガタイ
下界は30℃って言ってたしなー💦

こんな斜面も


Nさんはスイスイ行きますけど
私は 足攣りが怖いのでゆっくり行きます

今日はスタート前に “芍薬甘草湯” 飲んできました



ずっと下ばかり見て歩いていたら
ふと現れたコブコブの樹



<水場>
と書かれた標識があって

先行されてた方がすぐ下にあると
教えてくれたんで下りてみました

細かったけど貴重な水ですね

タニウツギ・ウワミズザクラ
などがきれいな花を咲かせていました


※ジオネタ:この水場の辺りでは
日本最古と推定される珪化木林が散在しています

登山者には見えませんが💦



まだまだつづく樹林帯歩き
決して視界がいいとはいえない道

そしてずっと上り調子
“釈迦(岳)” に至る道という時点で

修験の匂いがします(苦笑)

登山口から1時間ほど歩いたところで
ついに視界が開けてくれました



おー解放感!




お花もちらほら見え始め


気分上々🎵

これは福井方面ですねー
(同定できませんが💦)

周囲を見渡し自分の位置を確認して
思ったのは

ここには “見慣れた白山” がない

今歩いてるところは いつも
観光新道から見ている稜線の向こう側のようで



登山道右手にある この山を


ちょいと巻いていく感じ?
正面の山も存在感ハンパなく 気になる―♪



途中 現れた露頭


礫が見えるということは手取層群の礫岩?
と 安山岩かしら?

うしろ髪ひかれつつこちらも通過



さっき正面に見えていたお隣りさん

こんもりいい形してるなーと思うんですけど
夏道はなさそう



イワカガミ


ミツバオーレン

花たちにも癒されつつ
高度を稼いでいくと見えてきたのが



えっ 何? 白山ちょい 頭 見えてる?



すごーい!絶景ー🎵 湯ノ谷が一望ー!


治山施設アーップ!

凄い!凄い!

曲がりくねった林道の中に
階段状の治山ダムが見えるよー♪

これずっと見たかったのー!

観光新道を別当分岐から稜線にでると
川の存在を仄めかす水音が聞こえてくるのです

でも植栽が育っちゃって
谷川を見ることができない

すぐ近くにいるのにお目にかかれない
私にとっては “幻の谷”

それが今 こうして目の前に広がっている
それも 治山ダムと一緒に!


湯ノ谷 いいわー♪



お隣りの山♪

数分後 山頂到着


<釈迦岳前峰(標高 2,053m)

市ノ瀬まで 7.9km
室堂まで    7.0km

目の前に 大汝峰と(千蛇ヶ池伝説の)御宝庫
その手前に グローブのような急崖をみせている 鎧壁



少し左に目をやると 四塚山と七倉山
メチャ 近い!



右に視線を移すと 別山(遠いな―w)

山頂はそれなりのスペースがあって
先行者さんが4人?

時間は 10時過ぎ 4時間も経ってた💦
眺望もいいけど気持ちは “かの花” へ

腰を下ろす時間ももどかしく最終目的地へGO!
このまま 湯ノ谷乗越の先まで行くんだ( `ー´)ノ



そして始まる下り坂
その先にはハンパない登り返しが待ってるらしい


と そういえば ホントの “釈迦岳” ってどこ?
心の声が聞こえたか Nさんが聞いてきた

“釈迦岳 行きたいですか?”

大層な藪の中らしく
聞いた感じじゃ七倉山みたいな感じ?

あれはやだなー
Nさんどうも行きたくなさそうーw

雪渓は出てくるし 時間も惜しいので
ここは寄らずにスルーすることに💦

決めたとたんに現れたブルーテープ

 

何々? 大倉池?


これかー

解凍中の池の水は碧く きっつい日差しの中
一服の清涼感をいただきました



ここ 片足分しか足乗らないとこで一瞬ひやり



湯ノ谷の始まる場所まで来たー🎵

ここから目もくらむような景色がつづく


まるで空中庭園のように浮き上がった大地


谷筋に雪が残る 鎧壁と稜線がハッキリ


その上にでーんと構える大汝峰

七倉山との間にある残雪を見れば
湯ノ谷川は大汝峰で生まれることがわかる



そして今歩いている道は七倉辻の十字路へ続いている

健脚猛者の人たちは そこから
大汝峰➡御前峰➡室堂を経由して

観光新道から白山禅定道へ入り
市ノ瀬へ戻ってくるそうな(ヒョエー!)

今日の目的地は 中央に見える茶色い壁の上あたり

今日のコンディションはそう悪くない
おろしたての登山靴はフィットしてるし

足攣りもない
ただひとつ不安要素があるとすれば

少し前に 転んだこと

転ぶ というのを甘く見ちゃいけない
と Nさん

“どうしますか?”
聞かれて一瞬 迷ったけど

痛みもないし却って自分の弱点に気づいた

行けるか 行けないか じゃなく
やるか やらないか だと思った

行ける!

そうして再びの歩みが始まった



もはや スポンジケーキに見える


チドリロード♪


スポンジケーキ側面まで下りてきてしまった💦

ここだけ堅くて残ったのかなー
フラットな段丘面と切れ落ちた段丘崖

なに?これも河岸段丘?w

別山も見えて 風が吹き抜けてじつにいい感じ♪



ざっくりえぐれ斜面 発見!
流れ出たはずの土石は川床にはなさそう

長い石の旅をしているものと思われます
今頃 鶴来の “十八河原” 辺りにいたりしてw



ド・アップ!

互層に堆積してるのが手取層群の地層やね
その上に縦に節理が入ってるのがあとで被さった溶岩

この辺りじゃ太古の昔からこんな崩れが
何度も起きていたんでしょう

そりゃ巨大な谷もできてまうわ

よく見れば すでに緑化してる
自然再生? はたまた治山事業の成果かな



足元に目をやると 突然現れた <水場>⁈


こんな感じで
飲める(汲める)ようなもんじゃないかな💦



ただその周りにこんなに
ミズバショウが群生してるのには驚いた!



ササ藪が迫る中

自分たちの縄張り(生きる場所)を
死守せんとする彼らにエールを送りたい気分♪





湯ノ谷川 源流部が目のまえ


火山性の大地が広がる道を行きます


<スポルティバ・トラバース X5 GTX>
の真価が発揮されるところw

風も強くなってきた
ひやっとするザレ場のトラバースもクリアし


ようやく目的地に到着!

稜線上にお誂え向きのスペースがあって
休憩中の先行者さんたち(もはや顔なじみ)が

口々に歓喜の声をあげる♪

そしてこれが 姫たち♪

<オオサクラソウ>

石川県ではレッドリスト
<危急種(絶滅危惧Ⅱ類)>

の指定がある花らしい

※ 危急種:絶滅の危険性が高いと判断された種





見た通り 愛らしく咲いていたけれど
なぜこの花が<危急種>になったかといえば

自然遷移/踏みつけ/園芸採取/産地極限

ということが言われていて そう聞くと

こんなブログなんかに書いて
情報発信してることが罪みたいにも思えてくる

でもまぁ 貴方のおかげで
ここまでくるモチベーションを持てたのも事実

これからやってくるハイカーさんには
 “踏みつけ” に気を付けて欲しいと願うばかり

オオサクラソウロードは30m?50m?ほど
続いていたかな その先で仰ぎ見た



七倉山♪ で思考が止まる

釈迦新道はつづいてるのに
ここでUターンしなきゃいけない

まだまだ感動的な景色が待ってるはずなのに

“おあずけ” です

でもまぁ 次への期待を込めて
下りましょう



来るときにそそられてた山(シゲジ山?)

稜線歩けたら気持ち良さげ♪
誰が道つけるんw



Nさん撮影


あー御宝庫が消える💦


なごり惜しすぎる💦


登り返しがあるとはいえ 帰りは早いw
お釈迦さん見えてきた!



振り返って 渾身の “ありがとう!”
(まだ終わってないよーw)


そういえば
昼ご飯を食べていなかった私たち

釈迦岳前峰に戻ってきていつものカップラーメンを食す

前日に買った むっつぼし特製 “塩大福” は
冷蔵庫に入れてたせいで皮が硬くなっていた

泣きたい😢

やさしいNさんは食べてくれたけど
今度から気をつけよう

食べてると女性が一名ずつ戻ってきた

一人は愛知から来て日帰りで帰るという
何度も白山に来てくれてるみたいで嬉しかった♪

もう一人は松任市内の同じ校下のひとだった
“むっつぼし”(の塩大福)で発覚

世間は狭い(笑)

逞しい女性ハイカーが増えましたねー
私もまだまだ鍛えないと( `ー´)ノ

おっとーのんびりしてたら時間が押してました

14時 ホントに下山
16時10分 市ノ瀬登山口に到着

なんと!2時間ちょいで下りてしまった

併走してくれたNさんのおかげです
ありがとうございます♪




これで登りが早ければなー
と タラレバ 言っててもしょうがないので

筋トレと傾斜トレッドミルでガンバロウ!
(市営体育館通い復活♪)

今回のTAMA-SANPOで印象的だった Best3は

①湯ノ谷の源流部が見れたこと
②湯ノ谷の治山ダム群と谷の絶景を見れたこと
③オオサクラソウに逢えたこと

です

えっ!なんでオオサクラソウが3番目⁈
という質問にはノーコメント あしからずw



☝ おまけ(笑)


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