「たま山歩/未踏の山道をもとめて~」
【白山釈迦岳(はくさんしゃかだけ)】標高 2,053m
白山主峰の御前峰の西方にある山
市ノ瀬にある白山温泉を起点とし
十字路である七倉ノ辻に至る “釈迦新道” の
途中に位置する
もとは その山肌のようすから
「鎧岳(ヨロイダケ)」と呼ばれていたという
登山道が釈迦岳頂上を通らないのは
営林署が巡視用歩道として開設したため
(登降箇所を少なくした)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
白山周辺の山というのはとにかく崩れる
雨が降っては崩れ 雪が溶けては崩れ
小さな崩落なら毎日でも起こっていそう
釈迦岳へ導いてくれる登山ルート“釈迦新道”も
そんな”崩れ”のせいで久しく入山規制がされていた
解除されたのは去年(2023年)のこと
“行きたい!” と思ったけれど
タイミングが合わず 行けなかった
今年こそはと時期を見計らっていたところ
最近 有料会員になった “YAMAP” で
“オオサクラソウ” が見ごろと騒いでる
花のことはよく知らないけど
行くなら「今」でしょ♪ ということで
万事調整して 週末山行となりました
<釈迦新道/白山禅定道 登山口>
(標高887m?)
おひさしぶりの登山口
たしか3年前だね 白山禅定道を歩いたの
燃え上がるような紅葉の舞いが忘れられません
☟
その登山道から地図アプリを起動
6時20分スタート
さぁ 元気に行ってみよう!
今回は山友Nさんが先導してくれるので
ちょくちょくバックショットで登場しますw
そうそうやっぱり杉林からスタート
禅定道らしい“趣き” が感じられた前回と違って
今回は “叢” の湿感がつよい
6月だもの あたりまえかw
ひさしぶりの山行だったのもあって
お喋りに花が咲く
20分ほど歩くと 分岐に来ていた
(標高1,000m地点)
目の前には白山禅定道が開けているけど
今回は左へ 暫く林道を歩きます
白山釈迦岳前峰まで 5.6km
思うところは一緒?
と思われるハイカーさんがちらほら
土曜日だけど静かなもんです
皆 白山(御前峰)狙いで別当出合へ行ってる
ここは一般道ではなく工事用道路
土砂崩れが起きた現場は
通れるようになったとはいえ
まだまだ工事はつづいている
車ならあっという間だけど
緩い登り坂 2km以上歩きます
<白峰神社> 合掌
30分ほど歩くと見えてきたシェッド
屋根の上には草木が育っている
川のせせらぎを聞いて思わず歩み寄る♪
林道横を流れる湯ノ谷川には “治山ダム” が造られていた
そう
湯ノ谷川は 林野庁の所管なので
砂防堰堤 とは云わず 治山ダムと云います
同じものだけどw
思わず ときめく💓
先を急ぐのでシェッドの中に入ると
スッキリしてる さすがコンクリート
と 思ったけど 天井がこれ
通り抜けた先で目にしたのが
崩落個所
崩れた土石は護岸にまで達していて
かつて使われていたであろう橋が
頼りなげに架かっていた
ダムには歴史を感じる
おそらく これと(上流)
(下流)このダム群で かなりの
土石を捕捉したことだろう
で これが 現在の(仮設?)橋
手すりもついてりっぱなもんです
もっとじっくり見ていたかったけど
そうはいかないので…
うしろ髪ひかれながらこの場をあとにしました
<殉職者慰霊碑>
草の冠を戴いて
周囲に溶け込んでいる佇まいが印象的でした
もう誰一人として犠牲になりませんように
工事の安全を祈ります
そこから2分
ありました 今度こそ本当の
<釈迦新道 登山口(標高1,115m)>
釈迦岳まで 3.9km
室堂まで 10.9km
市ノ瀬まで 4kmということは
なんと!すでに 半分 歩いてきている
(約1時間)
それにしても…
あまりにも控えめな入口で
気づかずに通り過ぎそうになりましたw
鬱蒼とした樹林のなか
有りますよねー 倒木
くぐれますけど
本格的に汗をかかされます
じみにキツイ登りです
木陰であることがアリガタイ
下界は30℃って言ってたしなー💦
こんな斜面も
Nさんはスイスイ行きますけど
私は 足攣りが怖いのでゆっくり行きます
今日はスタート前に “芍薬甘草湯” 飲んできました
ずっと下ばかり見て歩いていたら
ふと現れたコブコブの樹
<水場>
と書かれた標識があって
先行されてた方がすぐ下にあると
教えてくれたんで下りてみました
細かったけど貴重な水ですね
タニウツギ・ウワミズザクラ
などがきれいな花を咲かせていました
※ジオネタ:この水場の辺りでは
日本最古と推定される珪化木林が散在しています
登山者には見えませんが💦
まだまだつづく樹林帯歩き
決して視界がいいとはいえない道
そしてずっと上り調子
“釈迦(岳)” に至る道という時点で
修験の匂いがします(苦笑)
登山口から1時間ほど歩いたところで
ついに視界が開けてくれました
おー解放感!
お花もちらほら見え始め
気分上々🎵
これは福井方面ですねー
(同定できませんが💦)
周囲を見渡し自分の位置を確認して
思ったのは
ここには “見慣れた白山” がない
今歩いてるところは いつも
観光新道から見ている稜線の向こう側のようで
登山道右手にある この山を
ちょいと巻いていく感じ?
正面の山も存在感ハンパなく 気になる―♪
途中 現れた露頭
礫が見えるということは手取層群の礫岩?
と 安山岩かしら?
うしろ髪ひかれつつこちらも通過
さっき正面に見えていたお隣りさん
こんもりいい形してるなーと思うんですけど
夏道はなさそう
イワカガミ
ミツバオーレン
花たちにも癒されつつ
高度を稼いでいくと見えてきたのが
えっ 何? 白山ちょい 頭 見えてる?
すごーい!絶景ー🎵 湯ノ谷が一望ー!
治山施設アーップ!
凄い!凄い!
曲がりくねった林道の中に
階段状の治山ダムが見えるよー♪
これずっと見たかったのー!
観光新道を別当分岐から稜線にでると
川の存在を仄めかす水音が聞こえてくるのです
でも植栽が育っちゃって
谷川を見ることができない
すぐ近くにいるのにお目にかかれない
私にとっては “幻の谷” w
それが今 こうして目の前に広がっている
それも 治山ダムと一緒に!
湯ノ谷 いいわー♪
お隣りの山♪
数分後 山頂到着
<釈迦岳前峰(標高 2,053m)>
市ノ瀬まで 7.9km
室堂まで 7.0km
目の前に 大汝峰と(千蛇ヶ池伝説の)御宝庫
その手前に グローブのような急崖をみせている 鎧壁
少し左に目をやると 四塚山と七倉山
メチャ 近い!
右に視線を移すと 別山(遠いな―w)
山頂はそれなりのスペースがあって
先行者さんが4人?
時間は 10時過ぎ 4時間も経ってた💦
眺望もいいけど気持ちは “かの花” へ
腰を下ろす時間ももどかしく最終目的地へGO!
このまま 湯ノ谷乗越の先まで行くんだ( `ー´)ノ
そして始まる下り坂
その先にはハンパない登り返しが待ってるらしい
心の声が聞こえたか Nさんが聞いてきた
“釈迦岳 行きたいですか?”
大層な藪の中らしく
聞いた感じじゃ七倉山みたいな感じ?
あれはやだなー
Nさんどうも行きたくなさそうーw
雪渓は出てくるし 時間も惜しいので
ここは寄らずにスルーすることに💦
決めたとたんに現れたブルーテープ
湯ノ谷の始まる場所まで来たー🎵
ここから目もくらむような景色がつづく
まるで空中庭園のように浮き上がった大地
谷筋に雪が残る 鎧壁と稜線がハッキリ
その上にでーんと構える大汝峰
七倉山との間にある残雪を見れば
湯ノ谷川は大汝峰で生まれることがわかる
そして今歩いている道は七倉辻の十字路へ続いている
健脚猛者の人たちは そこから
大汝峰➡御前峰➡室堂を経由して
観光新道から白山禅定道へ入り
市ノ瀬へ戻ってくるそうな(ヒョエー!)
今日の目的地は 中央に見える茶色い壁の上あたり
今日のコンディションはそう悪くない
おろしたての登山靴はフィットしてるし
足攣りもない
ただひとつ不安要素があるとすれば
少し前に 転んだこと
転ぶ というのを甘く見ちゃいけない
と Nさん
“どうしますか?”
聞かれて一瞬 迷ったけど
痛みもないし却って自分の弱点に気づいた
行けるか 行けないか じゃなく
やるか やらないか だと思った
行ける!
そうして再びの歩みが始まった
もはや スポンジケーキに見える
チドリロード♪
スポンジケーキ側面まで下りてきてしまった💦
ここだけ堅くて残ったのかなー
フラットな段丘面と切れ落ちた段丘崖
なに?これも河岸段丘?w
別山も見えて 風が吹き抜けてじつにいい感じ♪
ざっくりえぐれ斜面 発見!
流れ出たはずの土石は川床にはなさそう
長い石の旅をしているものと思われます
今頃 鶴来の “十八河原” 辺りにいたりしてw
ド・アップ!
互層に堆積してるのが手取層群の地層やね
その上に縦に節理が入ってるのがあとで被さった溶岩
この辺りじゃ太古の昔からこんな崩れが
何度も起きていたんでしょう
そりゃ巨大な谷もできてまうわ
よく見れば すでに緑化してる
自然再生? はたまた治山事業の成果かな
足元に目をやると 突然現れた <水場>⁈
こんな感じで
飲める(汲める)ようなもんじゃないかな💦
ただその周りにこんなに
ミズバショウが群生してるのには驚いた!
ササ藪が迫る中
自分たちの縄張り(生きる場所)を
死守せんとする彼らにエールを送りたい気分♪
湯ノ谷川 源流部が目のまえ
火山性の大地が広がる道を行きます
<スポルティバ・トラバース X5 GTX>
の真価が発揮されるところw
風も強くなってきた
ひやっとするザレ場のトラバースもクリアし
ようやく目的地に到着!
稜線上にお誂え向きのスペースがあって
休憩中の先行者さんたち(もはや顔なじみ)が
口々に歓喜の声をあげる♪
そしてこれが 姫たち♪
<オオサクラソウ>
石川県ではレッドリスト
<危急種(絶滅危惧Ⅱ類)>
の指定がある花らしい
※ 危急種:絶滅の危険性が高いと判断された種
見た通り 愛らしく咲いていたけれど
なぜこの花が<危急種>になったかといえば
自然遷移/踏みつけ/園芸採取/産地極限
ということが言われていて そう聞くと
こんなブログなんかに書いて
情報発信してることが罪みたいにも思えてくる
でもまぁ 貴方のおかげで
ここまでくるモチベーションを持てたのも事実
これからやってくるハイカーさんには
“踏みつけ” に気を付けて欲しいと願うばかり
オオサクラソウロードは30m?50m?ほど
続いていたかな その先で仰ぎ見た
七倉山♪ で思考が止まる
釈迦新道はつづいてるのに
ここでUターンしなきゃいけない
まだまだ感動的な景色が待ってるはずなのに
“おあずけ” です
でもまぁ 次への期待を込めて
下りましょう
来るときにそそられてた山(シゲジ山?)
稜線歩けたら気持ち良さげ♪
誰が道つけるんw
Nさん撮影
あー御宝庫が消える💦
なごり惜しすぎる💦
登り返しがあるとはいえ 帰りは早いw
お釈迦さん見えてきた!
振り返って 渾身の “ありがとう!”
(まだ終わってないよーw)
そういえば
昼ご飯を食べていなかった私たち
釈迦岳前峰に戻ってきていつものカップラーメンを食す
前日に買った むっつぼし特製 “塩大福” は
冷蔵庫に入れてたせいで皮が硬くなっていた
泣きたい😢
やさしいNさんは食べてくれたけど
今度から気をつけよう
食べてると女性が一名ずつ戻ってきた
一人は愛知から来て日帰りで帰るという
何度も白山に来てくれてるみたいで嬉しかった♪
もう一人は松任市内の同じ校下のひとだった
“むっつぼし”(の塩大福)で発覚
世間は狭い(笑)
逞しい女性ハイカーが増えましたねー
私もまだまだ鍛えないと( `ー´)ノ
おっとーのんびりしてたら時間が押してました
14時 ホントに下山
⇩
16時10分 市ノ瀬登山口に到着
なんと!2時間ちょいで下りてしまった
併走してくれたNさんのおかげです
ありがとうございます♪
これで登りが早ければなー
と タラレバ 言っててもしょうがないので
筋トレと傾斜トレッドミルでガンバロウ!
(市営体育館通い復活♪)
今回のTAMA-SANPOで印象的だった Best3は
①湯ノ谷の源流部が見れたこと
②湯ノ谷の治山ダム群と谷の絶景を見れたこと
③オオサクラソウに逢えたこと
です
えっ!なんでオオサクラソウが3番目⁈
という質問にはノーコメント あしからずw
☝ おまけ(笑)
-◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇- -◇-
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