2024/07/29

TAMA-SANPO-69~なぜに朝日岳?…からのイブリ山奮闘記/前編(朝日岳山開き登山会2024)~2024.7.6~7.7

  たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


【朝日岳(あさひだけ)標高 2,418m

飛騨山脈(北アルプス)後立山連峰にある山
日本三百名山及び新日本百名山

中部山岳国立公園内 北アルプスの最北部に位置し
富山県側の旧下新川からは東側に見える

積雪量が多く山頂付近には夏でも雪渓が残る

山頂は平坦で豊富な高山植物が見られ
湿地帯もあって清らかな水に恵まれる

朝日岳という名は 山間の集落からみて

“最初に朝日に染まる山”
ということから付けられた

富山県朝日町の町名の由来となっている

日本海沿岸の親不知から朝日岳には
栂海新道(ツガミシンドウ)と呼ばれる

海抜0mと山頂とを結ぶ長大な登山道がある


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

2024年 7月6日・7日 ついに
ついにこの道を歩ける!

朝日岳は特別な山だ
それは私が育った町のシンボルだから

根なし草のように生きてきたわたしの
ルーツがここ朝日町

そもそも 生まれは埼玉
すぐに富山県朝日町に移り住むも

小学校入学までに3回も住所を変えるあたり
(自分の意思ではないけど)

その後の浮草人生の兆しとも思える(苦笑)
まぁそれは いいとして

高校を卒業するまでの十数年間
この町はわたしの情緒を育んでくれた

昔から いい風に言えば “牧歌的” なとこで
(単に田舎なだけなんやけど)

それがよかったんだと思う

町を出るときは
二度と戻る(住む)ことはないと思っていた
(じっさいそうなった)

が どうしたことか

ここ数年 ホームタウン “朝日町” が
気になってしかたがない

きっかけが “朝日岳” だった
登山を始めて5年ほど経ったころか…

“北アルプス” という響きに
心ときめくようになっていて

そんなとき朝日岳山頂の写真をネットで見たのだ

標柱には「富山県/朝日町」の表記

えっ なに? そうなん?

こんな明確な名がついているにも拘らず
新潟辺りの山だと思っていた

知らなかったなんてなんたる不覚

眺望のすばらしさにも心奪われた そして
自然に湧き出た思いが

“朝日岳に登らなくちゃ”

だった


さっそく調べた

どういうルートがあるのか
どうやったら行けるのか

交通機関は?
山小屋は?

グレーディングは?
一人で行けるのか?

・・・・・・・・・

調べてみて 簡単な山ではないらしい
ことがわかった

でも歩けないわけでもなさそうだ
最大のこだわりはルートだ

朝日岳へはふつう

新潟県側から登るのが一般的なようだけど
わたしは富山県側(北又小屋)から登りたい


“小川温泉元湯 ホテルおがわ”

という 露天風呂もある 秘湯の湯宿がある
こどもの頃 よく親と泊まった いい宿だ

登山口のある北又谷はそこから更に奥
でも わたしはその地を知らない

行ったことがないなんて嫌だ!
知っておきたい!見てみたい!

だってわたしこの町の子だったからw

急に 帰属意識 に目覚めた⁈
やっぱ寄る辺を求めてるんかなー(笑)

とにかく

朝日岳山頂を極めるならそこまでの
道程まるごとcompleteしないと意味がない

恩を忘れていた日々を顧みる意味でも

(長い前置きだー💦)

まぁーそういうわけで北又小屋

ここに行くには林道(北又線)を通るんだけど
一般車は通行不可なので

小川温泉の駐車場に車をおいて
手配(予約)したタクシーに乗り込むしかない
(或いは 10km歩くか・・)

因みにこちら料金表

助成金はでるけど一人だと完全割高(ウーン)
躊躇するよねー と思ってたら

朗報 舞い込む♪

7月の第一土曜日曜に
「朝日岳の山開き登山会」があるんですとー⁈

決まり! ロックオン♪

これ 👇


※ 参加資格 ※ のとこ

“・・最後まで歩き通せる健脚・・”って
一瞬 ビビったけど💦

むしろ
 
自分の体力・脚力 だけ ガンバレバ

それ以外を全て託せるー♪

なんてラッキー♪

体力作りガンバリマース♪
で 申込んで OKもらって 今日に至ル♪

資料としてこんなのがあったよ




これ メチャわかりやすい ☝
こういうの 石川県も作ったらいいのにね


とにかく登りっぱなしの往路

ルート長 16.3km
累積標高は 2.00km

(北又小屋 701mから 朝日岳 2,418mまで)

イブリ山までの登りがキツイらしい💦

一人ならなんとかなりそうだけど
団体だと足並み揃えないといけないでしょ

ふだん 気ままな一人歩きが多いわたし

スピードについていけるかなー
足攣らんかなー

不安要因ばかりを考えてしまう



前段が長くなりました💦

山行日記 始めます<(_ _)>


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


朝2時起床

3時過ぎに家を出て高速に乗り
朝日インターで下りる

受付は5時30分(らくちーの



早く着きすぎたのでコンビニで時間をつぶし
5時を回ってから会場に入るとすでに何人もの人

思ってたより女性が多い⁈

皆 細身で 装備もこなれた感あって
要は すげー健脚さんに見えて緊張走る!

受付で参加費の残金を支払い
用意された8人乗りの車に分乗して5時40分出発



車窓の景色に 思慕💓 を感じながら山麓へ向かう



朝日小川ダムを過ぎたら見えてくる
小川温泉元湯 ホテルおがわ

橋を渡るかと思いきや手前を右に入る
そんなところに林道があるとは知らずびっくり

その先のトンネルをくぐり
約1時間のワインディングロード(約10km)に突入

雨が窓ガラスを叩いたり止んだりしていた

どしゃぶりを覚悟していたので
ガスガスでも 心は穏やか



道路は狭く路面も凹凸が多い
落石の危険もあるそうだ

これが一般車両を受け入れない理由らしい
急崖に治山ダムらしい構造物もあり

雨のせいもあるだろうけど
そこらじゅうで水が湧いているようにみえる

かなり奥地へ入ってきた感アリ


6時40分 北又小屋に到着



メンバーは

参加者 20名(男性7名/女性13名)と

引率と外部のかた 10名

総勢 30名を 3班に分けて登攀する

いただいた名簿の中に
中学のときの同級生の名まえを見つけニヤリ♪

今 朝日町観光協会で働いているらしく
声をかけるとお盆の同窓会に誘われたw

7時15分 スタート



小屋から登山口まで本来ならこの階段を下りて行けるのが
能登地震の影響でコンクリートが割れ使用不可に



ということで 少し回り道します



北又ダム

思わぬ出逢いにときめく💓
北又ダムの存在は知ってたけどここにあったなんて!

黒部川水系黒薙川(北又谷川)に造られた
北陸電力のダムです

朝日町を流れる小川に導水しています

下流には朝日小川第一発電所があり
そこで電気つくってます



北又ダムを左に見て進むとコンクリートの階段があり
100段降り切ると赤い吊り橋が迎えてくれました

高さは12m これ メチャ揺れして怖かった💦



吊り橋はダムのすぐ横
美しいダムを見ていたいけどグッと我慢



スタート!
最初は緩勾配でしたがほどなく急登になりました



ありがたいことに
リーダーがゆっくり歩いてくれてます

木段も安定していて草木もきれいに刈られていて
とても手入れが行き届いているのを感じます♪

とても 歩きやすい登山道です



1合目(840m)到着

標柱は 大きなブナにもたれて同化してましたw
むりせず 最初の休憩です



中央右寄りの平地はキャンプ場
小さいけどテントが見える

そういえば小屋の近くに自転車があったのを思い出す

“まさかあのキャンパーじゃないよね”

釣り目的だろうか
人のことだけどいろいろ思いが巡る

だってここは 紛れもなく“秘境”だからw



2合目(940m)到着

完全にご臨終ですね 根元から折れてる



ここでも休憩をとりました

天気はもってくれてる
ブナの森が清々しいです♪



3合目(1,040m)到着

休憩タイム


初 ロープ出現!
使うほどでもありませんでした



4合目(???m)到着

なにが気に入ったのか クマもんが
じゃれたあとがエグすぎ



このブナの樹の形が数字の「4」に見える4合目w



5合目(1,300m)到着

時刻は 9時50分 大休憩中
ここには「水場」があるというので偵察に!



矢印の先は



葉っぱの小径 誘われてるw
行ってみます!



かなりの細道もありますが問題なく行けます
100mくらい歩いたら到着



思った以上の水量でした!
これは有り難いですね♪

もちろん 美味!

休憩地に戻ると横断幕を広げてる人たち
この日のためにわざわざつくってきたそうです

凄い🎵 この “ヤル気” に 感動ー🎵
 
各班それぞれが幕を持って記念撮影



さいごは  “大蓮華山保勝会” の皆さん

うーん 凛々しくて頼もしー♪

 “大蓮華山保勝会” の名の由来は

美しい自然を守るという意味の “保勝”
朝日岳と白馬岳のことを指す “大蓮華山” 

が 合体してできたもの

登山会というよりも 朝日岳ルートを含む
登山道整備や周辺山域の自然保護活動をされてる

ボランティア団体なのだそうです

今日の日のために 登山道を
歩きやすくしてくれたのもこちらの皆さん!

ホント 感謝ですネ♪



6合目(???m)到着

この辺りからお花の出現率が増してきます



ハクサンオミナエシ


ミズバショウ


おばけミズバショウの巣w

ミズバショウがあることからもわかるように
この辺りは湿地が多いところ

サンカヨウやマイズルソウなども
たくさん見れて楽しくなってきました



すぐ後ろを歩いてくれてるMさん

チョウチョに好かれていいなー♪と 瞬撮(笑)



登山道わきの草むらになんと “マムシ”が 休憩中⁈

小さいやつで じっと動かなかったけど
こんなにまじかで見たのは初めてでドキドキ💓



近辺の花たち

サンカヨウ
オオカメノキ
タニウツギ
アカミノイヌツゲ?
マイズルソウ
イトキンポウゲ?


相変わらずの急登
右に左にジグザグ折れながら進みます

日も差してきていい感じに晴れてきました♪
気持ちイー🎵



ここまで天気は持つものの霧で視界が悪く
谷間や山あいの風景などは諦めていたのですが

ようやく見覚えのある景色が見えてきました🎵

朝日小川ダムとその先に広がる朝日町の一部w
嬉しかったー♪


そして 気づきませんでしたが いつのまにか
7合目を過ぎてしまっていました💦



8合目(???m)到着

寝てるw


ゴゼンタチバナ
キヌガサソウ
アカモノ



9合目(1,720m)到着

そして


10合目!

【イブリ山山頂】(1,791m)

そう これまで標柱に刻まれていたのは
イブリ山までの距離でした

ともかくも
1,420mを登り切ったー!(歓喜♪)

ホントならここで目の前に
朝日岳の大山容が迫ってくるはずなのだけど

ガッスガスで何も見えません💦

時刻は12時15分 予定より45分遅れたけど
全員が問題なく歩いて来れた・・

と 思ったら
女性の方が御一人 体調不良を申し出られました

行くか 戻るか

保勝会の方たちが話し合い
女性に最善と思われる策を提示します

もしも 途中で下山となれば
荷物を持ち つき添って下りてくれる
役割の方がおられます

行くか 戻るか



とにかくも ランチを済ませ 
休憩をしっかりとり 30分後

すぐには動けない女性を
スタッフのかたにお任せして動きだしました

今日の目的地 朝日小屋まで あと約3km
一度下って100mの登り返しがあるらしい💦

そして 鎖場も…愉しみ♪



スタート時は やはりガスガス


下ります
そして登り返す



最初の鎖場が現れました
慎重に進みます

わたしは鎖は補助的に使います

登り切った先でみつけた


ハクサンコザクラ?💓


シロバナクモマニガナ



振り返ると(西)
 ガスが稜線を境に溜ってるのが見えました

こんなの見たのは2度目
1度目は白山 南竜から別山へ抜ける稜線上でした

ちょっとした見ものです♪



鎖場を越えたら視界が開けました(南)



第二の鎖場 登場

登り切ると


ミヤマキンポウゲ

この子たちは登山道沿いに群落をつくりますね♪



あと2kmです



ガスがどんどん立ち込めてきます

周辺の花たち


イワカガミ・ツマトリソウ 等々



木道になりました♪
彫りこみがしてあって歩きやすい

周辺の花たち


イワイチョウ・ウラジロヨウラク・ダイモンジソウ



前朝日が迫ってきました🎵



元気なチングルマ
ここらが 花の楽園 夕日ヶ原なのかな



嫌な予感しかしない一行💦

前が見えないくらい霧が立ち込めてきて
雨も降りだしました



14時 本降りになりついにレインウェアを着こむ

ただ持ってはいたけどレインパンツは履かなかった
どこかで“すぐに止む” ことを期待していたから

しかし あー無情の雨と風



まだ 1.5kmもあるのか(タメイキ)

基本 晴女のわたし
こーゆーの慣れてなくて

身体がシンドイからではなく
気分的にこの状況から早く脱出したかった

見回しても景色らしい景色もなく
石と木道しか目に入らない

黙々と一歩一歩を踏みしめていくだけ



14時5分

ひょえー!風が強いよー!
晴れていればお花畑とか見れるんだろうか

考えても仕方がないのでやめよう



14時13分

雪渓の上を歩く
標高は何メートルまで来てるんだろうか



14時14分

雪解け水が沢になって流れている上を渡る
小屋はまだかー



14時 23分 
まだ 1kmあった こころ折れそー💦



14時30分

ひとときの癒し
こぼれるように咲き誇るシナノキンバイ



ひやりとする幅狭なトラバース



雨に濡れた キヌガサソウ が美しすぎる



朝日小屋が見えてきた⁈



朝日平 到着!(標高2,150m)



15時 朝日小屋 着

お世話になりまーす🎵\(^o^)/

前編はここまで 続きは後編で


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