2024/09/14

TAMA-SANPO-76~黒部源流域周回!中編/黒部川源流域から水晶岳-ワリモ岳-鷲羽岳へ♪~2024.9.4~9.6

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」

【鷲羽岳標高 2,924m

裏銀座コースの屈曲点
鷲羽乗越を隔てて三俣蓮華岳と対峙している

西斜面は祖父岳とともに黒部川の水源
 南側の中腹に火口湖の鷲羽池がある

花崗岩特有の明るい山肌をもち(石英閃緑岩)
裏銀座コースの玄関口にふさわしい雄峰


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


◆◆ 黒部源流域 縦走登山(2日目-9/5)◆◆


一日目の疲れがさぞかし心地よい眠りを約束してくれるだろう
と思っていたがそうでもなかった

やはり枕が変わると熟睡できないようだ

あと 階下でのボラさんたちの “熱い” ざわめきも
(そんなに繊細な体質ではないはずだがw)
微妙に影響していたように思う

初期計画では5時スタートとしていたところを

わたしの不安因子が拭えないので早める

なにが不安かといえば まずはポテンシャル
先月から山行後半に感じる左踵の痛み

これへの対処は一応してあるけど
効果のほどは実際に歩いてみないとわからない

あとは
とにかく“ハッ”ときたら“パッ”と撮りたいひとなのでw

いつものソロペースで歩いてしまうと
とうぜん足並みもスピードも鈍る

遅くなるのは必至

ザックを下ろすほどの休憩が要らないひとなので
てめーで遅れた分はそこんとこで回収に努める
 
相棒のNさんは登山会での経験が豊富なので
リスクヘッジはお手のもの

提案されるままに早めの行動に出る



雲ノ平山荘をふりかえる
オレンジ色の灯りが優しい

“いってきます♪”



日の出の方角へ進路をとる
朝もやが立ち込めて幻想的な平原

シルエットだけだけど双耳峰が水晶岳だと教えてくれる



ふりかえり
今日は黒部五郎がハッキリ見えそう



キャンプ場が見えてきた
小屋から遠いなーというのが実感💦



だいぶ明るくなってきた♪
スイス庭園の向こうに赤牛岳と水晶岳



池塘が点在する雲ノ平と薬師岳


今来た方向に黒部五郎岳


薬師岳の稜線の先に越中沢岳-鳶山
先月の五色ヶ原山行が思い出されて感動中♪



木道は祖父岳の北の谷面(岩苔小谷)につづいていた

この谷は 水晶岳西面や祖父岳北面に降った雨を集め
奥ノ廊下(黒部川)へ合流するようだ

山頂を照らす光となだらかな斜面が美しい♪



木道が終わったらゴツゴツした石のスキマを行く


水晶岳から日の出
温かい熱量が瞬時に身体を包んでいく

ハイマツの樹間のなかにつくられた山道を抜けると
昨日まで山荘から見ていた斜面にでた



雲ノ平が一望!

左上に山荘 まん中あたりにキャンプ場

米粒みたいだ

人工物とはかくも小さいものか
改めて日本有数の溶岩台地の広さを思い知ったが

それ以上に壮観なのが背後にある薬師岳!
今日は雲もかからず堂々たる聖母感を醸してる♪



<祖父岳分岐

祖父岳山頂と黒部源流碑への分かれ道
標高は定かではないがおそらく≒2,680m前後?

まっすぐ行けば30分で山頂(2,825m)に達する
そこから岩苔乗越(2,731m)までは下りと水平道で40分
(計70分)

かたや私たちが進もうとしているのは
黒部川源流の渡渉点(≒2,400m)つまり谷底

1時間40分かけて300m近く下り
1時間かけて分岐(岩苔乗越)まで330m登り返す
(計160分)

この「300」がぎりぎり自分を信じられる数字だった

<そのための お花松原(7/23sanpo)>
<そのための  獅子岳(8/19sanpo)>

おそらくはイケる
問題はそのあとだが 今 考えても仕方がない

「三俣山荘方面」と書かれた方向へ踏み出す

因みに写真の女性は祖父岳山頂から
渡渉地まで下りてくると云ってた
(三俣山荘へ行くため)



低い草木が生い茂るなか木道が延びている
あとで知ったがこの辺り<祖父庭園>と呼ぶらしい



黒っぽい石は玄武岩だろうか 溶岩が多い

すぐに谷底への降下が始まるかと思ったら
意外や平地がつづく



アップダウンもなく比較的歩きやすい


三俣蓮華岳と頭だけだす笠ヶ岳


槍・穂高連峰のシルエットが正面に!
チングルマが波打つ平原も見ごたえあり

この辺りが<日本庭園>かな



ワリモ岳と鷲羽岳シルエット♪


鷲羽岳と三俣蓮華岳を繋ぐ絶妙な鞍部に
三俣山荘が見えた(チイサイケド)


東にある祖父岳以外はさえぎるものもなく
どの方角を向いても錚々たる名山の姿が浮かび上がる

そうだ ここはそういうところなのだ
あらためて雲ノ平の魅力を思い知った

源流碑へ抜けるだけの道 と ノーチェックだったから
この驚きはとても新鮮だった♪

“この道 アリですね♪”

そう言ったNさんにも報いることができた気がして
わたしも嬉しかった♪



さて いよいよ谷への降下が始まる

黒部川の源流は目の前



ジグザグの長い下り坂
谷底に近づくにつれ 黄金色だった風景が蒼く変わっていく

ハイマツは姿を消しササが押し寄せる叢に変化した

そうして ついに



着いた! 渡渉点!(7時20分)
ロープが一本張られているのが見える

雨で増水でもしようものなら渡る術がない
これもラッキーなことだと思おう



渡渉し川の上流を見やる
まさしくここが黒部川の源流地

今ここにいること
格別な光と水と空気に触れていられることに感謝♪

で あれはどこ?

山と高原地図には
※ “黒部源流標アリ” と書き込まれている

どこかに “標柱” があるはずなのだが見当たらない💦

もっと上流かな?



とりあえず

雲ノ平山荘で買ったバッヂで印とする
“愛と美を創造する夢工房”「桂記章」さん製作の河童くん



ユーモラスでかわいい♪

(※ 標柱は三俣山荘方向に進んだ辺りにあることが後日判明💦)



ちょうどお腹もすいてきてたので
雲ノ平山荘でつくってもらった御弁当をいただく

癒しのゆるふわ水彩画掛け紙
かわいい♪

中には硬めに握ったおにぎり2種とお稲荷さん
おにぎりを一個だけ食べた

ボリュームあって腹持ちしっかり



食べ終えたら上を目指す

もっと高みへ!
コースタイムは1時間 イケるのか⁈



したたり落ちる水滴
こういうのを “岩清水” っていうのかなー



歩みはキツクても源流沿いを歩けるなんて幸せ♪
水は祖父岳からもワリモ岳からも注いでいる



登山道は水の通り道でもあり


沁みでた水でシューズも濡れる💦


ここだけ花盛り♪


途中 祖父岳分岐で会った女性とすれ違った

ひと言ふた言 言葉を交わし 暫くして振り返ると
小さくなった人影の向こうに三俣蓮華岳

彼女は山頂をめざすのかな
わたしはおそらく行けない

蓮華どころか 水晶・鷲羽もどうなることか



ホント なかなか辿り着けない
人影は見える 分岐はどこだー

10分後 景色が変わった


薬師岳をバックに
えらい下の方から上がってくる人たちがいた

あんなところに登山道? 祖父岳からじゃないよね 
ってことは ⁈ 高天原⁈

先月 大層シンドイ山行を完遂された山友さんを思い出す

歩いたのはこの道かー “岩苔小谷” でしょ
ここも黒部川の源流(支流)♪

聞くと見るとじゃ大違い ってか
想像を上回るインパクトをくれるのがリアル体験

俄然 興味が湧いてしまった(苦笑)




着いたらしい💦 ここが

<岩苔乗越(イワゴケノッコシ)(標高 2,731m)

ちょっと覚えにくい名前 でも
ここに来てこの場所の重要さがよくわかった

ここは5つのルートの交錯地

ここを通じて

⇨水晶岳/⇨高天原/⇨鷲羽岳/⇨三俣山荘/⇨祖父岳

へ それぞれ向かうことができる
ホント よくできてること

今の時間は 8時45分

パツパツの時間ぎりぎり(一時間)で
登ってはきたけど 足がメチャ疲れたー!



目の前にこれから歩くザレ場
そのずっと向こうに先の尖った水晶岳

見てたら 身体が思考停止した

そこへNさんから ザックをここにデポして
(水晶まで)行ったらいいんじゃないか
との アリガタイ提案

みれば標柱の後ろ辺りに
置き去りにされたザックがゴロゴロ

“そうします!” 
即答すると私も肩の荷を下ろした

“ついでにもう一個おにぎりを食べておこう”

むしゃむしゃ(風がでてきた)

おとといユニクロで衝動買いした
ウィンドブレーカーを着てみる

十分機能してる



動き出し 祖父岳を振り返る
これで雲ノ平とはホントにお別れだね

いつか山頂に行くときまで bye-bye



水晶へは 岩苔小谷へ向かって斜面を埋め尽くす
花崗岩ロードを行くトラバースで始まった



それにしても迫力のある斜面だこと 佳き♪


ガレた石たちが 黒岳(水晶岳)っぽい色に変わってきた⁈


水晶小屋到着 小屋には寄らずそのまま水晶岳へ


裏銀座と呼ばれる峰々(野口五郎岳とか)が見えた♪


それにしても 長い・・


人気の山だけあってすれ違う人も多い


まんなか奥にカールをのぞかせた黒部五郎
中間の尾根筋に祖父岳と雲ノ平

手前に 岩苔小谷の谷間 絶景だー♪

アクロバティックな動きをさせられたり
なかなか歩きがいのある道だけど

さっきの 300mアップダウンの影響かヘロヘロ
それでも 意気揚々と突撃するNさんを追って



<水晶岳/南峰(2,986m)・北峰(2,977m)登頂

本命(鷲羽)までに余力が残っているだろうか
若干の不安もありつつ 何とか到達

(メンタル的にはサイテーのときだったかも)

それでも 3,000mにあとわずかという高みから
見下ろす風景は言葉にならないくらいスバラシイ♪

(水晶岳は黒部川源流部での最高峰)


ボス感ハンパない薬師岳


北峰の向こうにつづく赤牛岳の稜線


まん中に黒部湖(ダム)を挟んで後ろ立山連峰


初めましての主稜線


振り返って 今から戻る道

そんなとき現れたのが


キラッキラの鉱物💓

これって! これって! 水晶 だよねー♪

がぜん元気が出てきた
そう なにかモヤモヤしていたと思ったら

水晶岳なのに 水晶に出逢っていなかったこと!
なんで登りで気が付かなかったのかは置いとくとしてw

心のシャワーを浴びた気分♪

因みに「水晶」と「石英」は鉱物としては同じもの
(石英は岩石を構成する主要な鉱物の一つ)

美しく目に見える大きさにまで成長した
石英の「結晶」を水晶と呼んでいる

「石」見て気持ちも落ち着いた♪
水晶小屋に立ち寄ってみる



<水晶小屋(2,900m)

水晶岳の南肩の地点に佇む山小屋

裏銀座コースなどの中継地点としての宿泊者が多く
いつもさまざまな方面へ向かうひとで賑わっている


裏銀座コースなんて考えたこともなかったけど
こうして上から見てると “可能性” の二文字ががちらつく


「水晶岳」登山バッヂがあったら買おう
と思ったけどなかった

そうそう サングラスにもお目にかかれない💦

Nさんは奮発して高価なTシャツを買ったようだ
それも 愉しみのひとつ♪



高瀬ダムから日本三大急登 “ブナ立尾根” を登り
烏帽子岳・野口五郎岳に通じているルート

水晶岳へのアプローチの一つ



その横(右)をみると 好みの崩壊地♪
北部白山にある “火ノ御子峰” を彷彿とさせる



伸びやかな稜線 の先に鷲羽岳
“火ノ御子もどき” もついてくる(ウレシイ)♪

来たときと同じ道を辿り 岩苔乗越へ戻る
デポしたザックを回収し進路を鷲羽岳方面へとる

疲労は否めないが
次で本願が成就すると思えが心持ちも変わる

一歩一歩 歩みを進める



鷲羽岳に行く前に通らなければならないのがここ
“ワリモ岳”

山頂部が
ブロッコリーを載せたふうに見えて(アクマデ主観)
遠目でも認識しやすい

漢字だと「割物岳」と書くらしい

割れた岩がそびえ立っているからだというが
確かにキレッキレの岩の集まりでできていた

ザレたトラバースを慎重に歩き山頂に着くと
そこはただただ岩が折り重なっているだけ

直下に標柱が斜めってあったので



<ワリモ岳(2,888m)
むりやり証拠撮影w

ワリモ(割れ物)石がザクザク散らばる道を行く

いよいよ次は大本命!鷲羽岳


じつはここへのアプローチはあまり覚えてない
ワリモの延長線上にあったからかもしれないし

疲労がMAXだったせいかもしれない
無心で歩いた それだけだった

そしてついに


<鷲羽岳(2,924m)登頂 12時43分

北アルプス最奥の頂に立った

長かったー💦
でもメチャメチャ気持ちのいい疲労感♪



Nさん 鷲になる⁈ これ定番のポーズらしいw

水晶小屋で買ってた「高価な」Tシャツ

フロントは「水晶」の二文字
背中には「鷲」のマーク? なるほどw



<鷲羽池>
南東斜面にできた火口湖を見下ろす

できたのは12万年前くらいといわれる
かつては “竜池” と呼ばれていたらしい

ただでさえ奥深い黒部川源流域にあって
この池を目にするためには鷲羽岳に登らなければならない

なんとも 感慨深い風景
龍の目のごとく 碧い水面が神秘的♪

そして後ろには火のような崩壊斜面むきだしの峰

ちょっと調べてみた



<硫黄尾根>というらしい

 “硫黄岳” “赤岳” というワードもでてきた

なんでこんなに燃えるように光ってるかというと
硫黄を含んだガスで硫気変質したかららしい

この辺りには 今も活発に活動している
いくつもの “硫気孔” があって

一年ないし数年に一回は
爆発昔を伴う激しいガスの噴出があるそうだ

だから 植生は育たない不毛の地となるのか
(よく見ると少しは緑もあるが)

雲が晴れてれば槍ヶ岳も見えてたはず
ちょっと残念⤵

ただこのあとガスが湧き上がり
この池さえ隠れてしまったので

やはり 今回も “持ってる女♪” としておこう♪w


さぁあとは山小屋へ向かって長いロード
登りが少ない(はずだが)ことを祈りつつ

先ずは飛び込んできた絶景



朝一番で下りた黒部源流の谷へ至る道筋が見える
(右の台形斜面のジグザグ道)

正面に黒部川(☝が下流)こうしてみると
なるほど 鷲羽岳が水源といわれるのがよくわかる

じっさいは各方面からの沢水が合わさってるけど
源流と呼ぶならまさにここがふさわしい



正面に三俣蓮華岳 その裾野に三俣山荘の赤い屋根

一瞬のときめき💓 のあと思わず手に汗握ったのは
わたしだけじゃないはず



まだついてくる硫黄尾根♪(ウレシイ)

下り始めて 40分後


<三俣山荘(2,550m)到着 13時30分

というところで 道半ばですが
中編をここで〆たいと思います

縦走2日目は余りにボリュームが大きすぎて
ちょっと息切れしてきました💦

後編につづきます♪


<2日目の行程>


距離は短そうに見えるけどアップダウン激しい道のり



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