2024/09/11

TAMA-SANPO-75~黒部源流域周回!前編/折立から薬師沢-雲ノ平へ♪~2024.9.4~9.6

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


雲ノ平山荘からみた水晶岳

【水晶岳(黒岳)標高 2,986m

北アルプスの中央部/最奥の稜線上にそびえる岩峰

裏銀座縦走路の赤岳(水晶小屋)で主脈から北方に分岐し
赤牛岳へ続く稜線の途中にある

周囲の山稜の中で この山だけが黒っぽい岩塊なので
「黒岳」とも呼ばれている

双耳峰 直接登るコースはない


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

◆◆ 黒部源流域 縦走登山 ◆◆


今回の山行のきっかけは昨年訪れた薬師岳
そして 黒部川

谷の向こうに連なる峰々(赤牛岳/水晶岳)への羨望
そして “源流” 好き♪の血が騒ぎ

極める山頂は “鷲羽岳” と決めていた なぜなら

鷲羽岳は黒部川の源だから

北アルプスの中央部にあって
立山連峰と後立山連峰の間を流れ下る急流河川

その源流域を歩けるなんて想像しただけで愉しい♪

いや 待て!
歩きたいのと歩けるのとは違う

“果たしてアンタの筋力体力で歩けるの?”
“冷静な自分” が “逸る自分” に問いかける

・・・・・

そこからせっせと筋貯蓄をしてきたのが今年の山歩の数々
全てはこの大一番のため

予定日直近の台風にやきもきさせられたけど
山友Nさんが上手く調整してくれて

ようやく今日の日を迎えることができました♪



コースは 

<DAY1>

折立-太郎兵衛平-薬師沢-雲ノ平
(雲ノ平山荘泊)

<DAY2>

雲ノ平-黒部源流碑-岩苔乗越-水晶岳-ワリモ岳-鷲羽岳-三俣山荘
(黒部五郎小屋泊)

<DAY3>

黒部五郎小屋-黒部五郎岳-赤木岳-北ノ俣岳-太郎兵衛平-折立


じつは当初 “新穂高” からのルートで考えていた

これを 折立からに変更
(雲ノ平山荘にキャンセルがでて予約できたため)

ただ 3泊4日プランが 2泊3日プランとなり
精神的にもプレッシャーが押し寄せる

コンディション次第でコースは変更可能だというので
少し安心し 

わたしは「鷲羽岳&源流」
Nさんは「水晶岳」に期待しつつ

<薬師岳登山口>標高1,356m)
から 山行スタート!


気温も湿度も思ったより高め
肌にまとわりつくような空気感がややシンドイ

<太郎坂>
と呼ばれる急登で有名な樹林帯は
最近よく熊がでるらしく

ネット情報で見た動画が頭から離れない

大胆に根っこの張った登山道を心を無にして歩く
ひたすら歩く

気がつけば



  (通称)アラレちゃん> に来ていた

ここらへんで “でた” らしい
人を怖がらない熊はタチが悪い 遭遇はご勘弁💦

早々に立ち去る



<三角点> 薬師は未だ見えず


<有峰湖>は今日も美しい

日差しが強くなってきたのでサングラスを
と思い ザックのポケットをまさぐる

・・・ない⁈(ショック)

たしかに CHAMSのポーチに入れたはず!
暗闇の中で落としたのかもしれない

かなりの失望感⤵

これから3日間 活動は3000m近い高所
紫外線のハンパなさは知ってるつもり

小屋に売ってればそれを買おう
そうでなければ・・

ないモノはナイ! 気持ちを切り替える



<五光岩ベンチ>


西の方から雲が湧いてきた


<太郎平小屋> 到着(8:20)

小屋はすでにひと仕事終えたところか
ひっそりとしていた

オーナーの五十嶋さんが サッシ窓を外していた
(右側の白いやつ)

ここでザックとポーチを全部開けてみたけど
サングラスはでてこず ロスト決定ー😢



薬師さま♪


これから向かう山域♪


行き(左)と帰り(右)の分かれ道
進路は左(薬師沢)へ



ツンと突き出た山体(北ノ俣岳)が印象的♪
(でもこの木道はあそこへは行けない)



靄って見にくいけど黒部川源流域方向♪
(水晶-祖父-三俣蓮華-双六-黒部五郎)

気持ち良くなってばかりもいられない
景色に見惚れてるとほどなく急降下が始まった!



どんどん下る


日差し強っ💦 下り始めて30分後


川音と一緒に小さな沢が現れて


橋が架かっていた
地図には<第一渡渉点>とある

トリカブトの青が映える


少し行くとまた小さな小川(中股?)があり
橋を渡った ここが<第二渡渉点>らしい



そのさきは木道がつづく

途中 空身の背負子を担いだ若者とすれ違う
おそらく 薬師沢小屋から来て太郎小屋へ至る?

バイト君かな
帰りは重い何かを担いで戻ってくるんだろうか
(逆パターンもあるな・・)



今度の川は 左俣?(木道右)


<左俣出合><第三渡渉点>

“左俣” と “薬師沢” が合流するところ?
木道左側には “右俣” というのもあるようだ

この辺は沢筋が多いように思う

太郎平小屋からここまで約1時間10分経過
思ってたいたよりロングコースであることを実感



紅葉せずに枯れている葉がめだつ



秋を感じる景色の中

わたしはまたまたミスってしまった!
用意していった “山と高原地図” のA3コピー地図を

この辺りで落としてしまったようなのだ

Nさんが探しに行ってくれたのだけど
見つからず・・

予定時間をかなりオーバーしてしまった💦



ようやく “らしさ” が見えてきた水晶岳♪


至る所で地中に沁み込んだ水が湧き出している

登山道を横切り


谷とも呼べない低地を伝い「川」へと落ちていく


目の前に現れた雲ノ平の溶岩台地
あんな高いとこまで登り返すのかと唖然💦

でもここは未だ “底” じゃない
まだまだ下りる と・・



エメラルドグリーンの透明な水のきらめき出現!


<薬師沢小屋>(標高1,912m)だった

黒部源流と薬師沢の出合いに位置した山小屋

川の傍にあるのでこの小屋を拠点に
岩魚釣りや赤木沢の沢登りなどが愉しめる

今回訪れる小屋の中でいちばん愉しみにしていたのがここ

黒部源流の傍に建つ小屋って
それだけでそそられる♪

そうして外から眺めれば眺めるほど
よくぞここに建ててくれたものだと感動する



これこれこの吊り橋
薬師沢小屋のシンボルマークになってる

登山者を奥地へと誘う橋

それにしても


なんと嬉しいこと♪
山小屋で水飲み放題なんてここだけでしょ

太郎小屋からここまで2時間半

思ったより時間かかってアミノ酸ドリンクばかり飲んできて

そろそろ味覚リセットしたいと思ったら
目の前に天然水どうぞ♪って

ホント 神過ぎるー



小屋の水はあの滝の上流から引いてきているらしい

大変なご苦労です
飲み放題とはいえ大事にせんなんね



おトイレをお借りして少し小腹に入れてすぐ動きだす

橋の向こう側へ


こんな風に この川の渕に立ったら…

わたしは釣りはしないけれど
釣り人の気持ちがわかる気がする
(イワナはリリースが原則)



そそる岩壁


雲ノ平と道を分かつのは高天原
ここを行けば露天風呂に入れるらしいw

なんだか天国に見えてきた
半面 雲ノ平の横の “直登” の二文字が不気味



(11:30)
でもまぁ行くしかないので-H500m?
リキみ過ぎないようにいきましょ!



一気に高度を上げてくれる梯子
こういうのを掛けてくれるのは山小屋の人たちだよね

有り難くて頭が下がります



ひっそりと…命の水


手作り感いっぱいの梯子


植生は豊か!


とにかく堅いキノコ
アイカワタケ?by google


登山道に横たわるかなりデカい倒木


なんだか笑えた傷跡
動物(熊?)の爪痕のような痕跡がたくさん


花が少ないのでキノコを撮るw


ノンストックだと両手が使えるから楽♪

ここの石は比較的歩きやすい
急は急だけどなんというか配置が絶妙

ただ 怖いのは雨(苔)

濡れたら滑るだろーなー
下りでは使いたくないと思った

15時までは降らんらしいけど山天は気まぐれ

でも苔は植物のゆりかご♪



朽ちた木を肥しにした次世代の芽吹き


大岩の上に 大樹の上に
そこかしこで命の循環がみられる登山道



コメツガの大木 皆一様に下部の枝がない
なんで? まぁ明るくてよいけど

鞭打たれるばかりも能がないので
せっかくのネイチャーワールドを満喫させてもらう

そうしていればいつか行きつくのだ



ここか⁈
木道にホッとしたのも束の間


まだまだらしい
もう登りはないって期待したのが間違いだった

いったいいつになったら平地にでるん?

小雨がパラついたり ガスが濃くなったり
かと思うと 日が差したり

くるくる変わる天気に揺さぶられながら
我慢の時間はつづく



おっ! ついにでた⁈ ここが
<アラスカ庭園>

も少し行くと


 <奥日本庭園>

せっかくの庭園だけど鑑賞する気持ちの余裕がない💦

ショックだったのが
ここがまだ雲ノ平のホンノ入り口だということ

登り上げたら山荘はすぐそこ(に違いない)…なんて
何を根拠に妄信していたのか

更に一時間も歩くことになる



雲ノ平の中にある丘陵地 “祖母岳(バアダケ)” が目の前

ここを巻いていく


祖父岳(ジイダケ)も見えてきた
その間に延びる木道

まだまだやなー
見たい山々(黒部五郎や薬師岳)は雲の中やし

なんもおもろないシンドイだけやー💦
と 心ん中でジタバタ葛藤してたら



ようやく 見えてきた赤い屋根 そして・・


雷鳥さんもお出迎え(マンナカ)💓💓


15時 <雲ノ平山荘>(標高2,650m)到着

あーしんど!

ここが 北アルプスの最奥部 最後の秘境



小屋の中に入ると縦長の広い玄関スペース
(暗いのは就寝前に撮ったから💦)

そこは隣りの休憩室も含め人が溢れていた
それも若い人たちが多い

去年の薬師岳山荘の静謐な空間を
どこかで想像していたのだろう

気持ちちょっと押され気味で受付を済ませる
正直 落ち着かない💦

それはやっぱり特別な日だったらしく
受付のネエさんがこんなものをくれた

興味があればご参加くださいと・・



【雲ノ平トレイルクラブ(KTC)】
登山道整備ボランティア・プログラム

山小屋とボランティアとの協働による登山道管理

主旨に賛同する人たちが
9/2から崩壊箇所の修繕などをされてたらしく

この日(9/4)は「座学」の日だったようだ



登山道整備はどこの山域でも重要な課題

白山でもチブリや北部白山など毎年かかさず
整備をつづけてくれている人たちを知っている

ここでも同じ
おそらく全国から集まってくるのだろうな

身体だけじゃなく頭と感性もフル活用して
課題解決に知恵を出し合ってる

そこに欠かせないのが「雲ノ平山荘」というわけか


人をまとめるのは難しい
担う人は強靭なポリシーが要る

でもこんなにも若い人たちが集って来てる
凄い求心力だとおもった

ガンガレ!そして ありがとう!


チェックインを済ませて荷物を置き
着替えをし 館内チェックを済ませ

売店でビールと登山バッジと手拭いを買った

そのまま外へ



着いたときは雲に隠れて見えなかった水晶岳が見えた

堂々とした大きな山容
そして ”黒っぽい”(別名:黒岳)

花崗岩より有色鉱物が多い
花崗閃緑岩でできているせいらしい

白く透き通った水晶のイメージとは違うけれど
じっさいに「有る」らしいので明日が愉しみ♪



視線を右に移すと 三俣蓮華岳
(左は祖父岳)

明日は暗いうちに小屋を出る予定なので
この景色を見ることはできなくなる

すこーし肌寒かったけどベンチに座りビール片手に鑑賞time

隣りのベンチにいたのは

薬師沢から一緒に上がってきた兵庫の女性 と
2年で百名山60座を制覇したという横浜の男性

“どこから来て どこへ行く”という
お決まりの質問から始まり山談議に花が咲いた♪

特に 横浜の男性の60座制覇には女性陣耳ダンボ
多くの山を制覇できた理由の一つが

「バスタ新宿」からでている 高速登山バス

移動といえば「車」があたりまえの自分は
公共交通機関を使う発想がない

「バスタ新宿」発着なら日本全国(の山)に行きやすい

なるほど 地の利とモノ(バス)は使いようだと思った


ほどなく
祖母岳(バアダケ)に行っていたNさんも帰ってきた
(わたしは行かなかった)

一旦小屋の中に戻る あいかわらずの喧騒

夕食が始まっていたけど
私たちがありつけるのはまだ先だった

さて よくある ”山小屋でどう過ごすか問題”w

体力気力が残っていれば周辺散策
それこそ 祖母岳に行ってたところ

無理💦 と切り捨て

じゃあ 生存報告をと スマホを触るけど 通信NG

談話室?も人でいっぱいだし
なんか居場所を探してうろうろ

結局 また外に出てゴローを見てたという💦



シルエットのみの黒部五郎岳 でも佳き♪

ハイマツの海を ホシガラスがびゅんびゅん飛ぶ!
こんなの白山ではなかった

何度か撮影を試みるも動く彼らを収めるのは至難の業💦


そしてお待ちかねの夕食 time(17:40)


定番の石狩鍋(汁物)酒粕風味 と 健康おかず
ご飯と鍋はお代わり自由

ごろっと鮭・鶏肉・根菜と具だくさんで美味でした


私たちが食事を終えた後 
KTCの人たちのご飯が始まったもよう

食堂横の洗面所で歯磨きを済ませたら
眠くはなかったけど 居場所もないので部屋に戻る

明日の準備をして寝るしかない

テキトーな洗顔(シートで拭くだけ)
テキトーな保湿

ここは就寝スペースと廊下の区切りがないので
朝の支度に気を使う予感

起きたら何する? をチェックしながら
できるだけ夜のうちに収めておく

窓の外には星 明日は晴れるらしい
そして3日間の内一番過酷な一日になる💦

わたしを引き寄せた核心部が
何を見せてくれるのか⁈ 期待しかない♪

おやすみなさい zzz

HPはこちら ➡ 雲ノ平山荘


<1日目の行程>



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