朝起きると、部屋のセンターテーブルの雑多な紙類の上にひろしは居た。
思えば、４月に入ってからよく「紙」の上に身を置くのを不思議に思っていた。
いつものソファーではなく、冷たい紙の上
一昨日、検温してもらって思った。
身体がずっと熱かった？だから「涼」を求めて？
ホントのことなんてわからない、ただあの瞬間そー思ったことを思い出した。
で、対面するなり一声を上げるひろし
かすれたような、絞り出すような声にならない声…
おかあさん、と呼んでいるのか
起き掛けの日課だった「食餌」を催促しているのか（実際食べないくせに）
近づいてみると、紙の上、テーブルの上に、おしっこ⁈
おもらし…していた。
こんなことは初めてだった。
昨日は定かでないけれど、おしっこだけはトイレでしていた。
すぐ後ろに置いてあるのに…トイレを跨ぐ力もないのか
目の前で尋常でないひろしの様子を目の当たりにして急に怖くなった。
ふらつくひろし、そこまで体力は落ちていたかと…
そういえばここしばらくまともに歩いているのを見ていない
どーしていいかわからず、私の手は勝手にひろしを抱えシンク内に置き、温水シャワーをかけていた。
下半身だけではない、横になる姿勢が楽なのだろう、半身もぐっしょり濡れていたのでそこにもかけた。
バスタオルでしっかり拭いてドライヤーで乾かしたら、憂鬱な食事が待っている
が、やはりどーしても食べない、食べてくれない
栄養缶も「ちゃおちゅーる」も受け付けず…
喉にも違和感あり？
必至に歯を食いしばる様子に途方に暮れた。
なんでそんな頑なに拒む
ひろし なぜ食べない なぜ！
午後の診察時間に合わせて病院に駆け込む
体温は３９．６度
血液検査をした。
２０分ほど待つと結果がでた。
「貧血がひどいですね」
赤血球が足りない
先生は、ひろしの口を少し開けて私に見せた。
ベロも歯茎も白っぽく血の気がない…
こんなひろしを見たことがなかった。
数字が表す結果と考えられる病気の原因を、先生は丁寧に話してくれた。
鼻炎もこの貧血の原因から来ているのだろうと言われた。
貧血になるには、血が「出て行ってる」か「造れない」か「壊れる」か、らしい
検査の他の数字は、内臓疾患を示していない
とすれば、疑われるのは、白血病やリンパ腫…
言葉を尽くして、沢山のことをお話してくれるのだけど、肝心のことがわからなかった。
だから、どうしたら助かる⁈
もしかしたら「死」？
その言葉が、私の口からついて出ることはなかった。
ハッキリ聞くのが怖かった。
この日の処方は、皮下点滴、抗生剤とステロイド注射
喉に違和感がありそうに思ったけれど触診では異常は見られず
お持ち帰りは病院専用の「ちゃおちゅーる」と強制給餌のための注射器（シリンジというらしい）
与え方を教わって帰った。
帰ってやってみたけれど、やはり激しく嫌がるひろし
それでも少しだけ食べて、あとはキャリーバッグの中が落ち着く様子だったので、そのまま休ませた。
どーしたらいいものか途方に暮れた。
ひろし、生きたいという生気（意思）が感じられない
★関連ブログ 2018/5/3
『“ひろし” 鼻炎が辛い日 5/3』
http://garakutama.blogspot.jp/2018/05/blog-post.html#more
★関連ブログ 2018/5/9
『“ひろし” なぜ食べない ５/９』
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