2024/08/28

TAMA-SANPO-74 ~立山カルデラを望む稜線へ!後編/「鳶山-鬼岳-五色ヶ原・・一ノ越 そして雷鳥も♪」~2024.8.20

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」

立山カルデラの絶景ー♪(獅子岳から鬼岳へ下る途中)


シューッと ファスナーが滑る音がする

お隣りさん? 7~8メートル 離れていても
すぐ隣りにいるような感じだ

雨の音は止んでいて 辺りはまだ暗い
時計をみると3時だった


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

“お隣りさん もう動き出すのか…”

スタートは5時と思っていたので 再び寝直す

とはいえ 昨日の18時から寝に入ったのだから
睡眠は十分にとれている

起きだすタイミングを計りつつ 30分後
外を見てみると 灯りの付いたテントが5つほど見えた

4時 わたしも動き出す

お隣りさん(ソロ女性)は
ヘッデンをつけてテントを撤収していた

わたしはゆっくりと荷物を整理
昨日コンビニで買った棒寿司とパンを食べ

アミノバイタルをすぐに摂れるようにサコッシュに入れ外に出た

お隣りさんは既にスタートしていた
今日はスゴ乗越小屋まで行くと云っていた

いいなー♪ と羨んでいても仕方がない
わたしも今日は鳶山をめざす!

5時17分

撤収も終わりいつでも歩き出せる状態のまま



日の出を見る

神さまありがとうございます
今日もガンバレます♪



山荘まで10分ほど 正面は鷲岳


鳶山は左の御山 そして五色ヶ原山荘が見えてくる


入口は出発を待つ人たちが数人
皆 表情は明るい 今日に期待してるふうだ

登山道は山荘の向こう側を巻いている



あとで行くよー♪


めざすは 鳶山
まだガスもかかってない早朝

立山カルデラを砂防の先駆者にした大崩れは
あの向こうで起こったらしい

どんな景色か観てみたい♪



朝の光にキラキラ チングルマ♪


途中の鷲岳を通過 振り返ったところ

陽の当たる東面とは対照的な西斜面(カルデラ側)
頂上付近からごっそりと滑り落ちてる



まだ雪渓が残っている

この8月でも消えない雪が
“雲上の花の楽園” にするんだろうな


15分後 ハイマツの植生が切れたところから
待ちかねた景色が広がっていた



まさに 鍋底


大地ののぞき穴♪


白岩砂防堰堤付近




テーブルのような弥陀ヶ原台地の向こうに富山平野
その奥には富山湾と能登半島♪


さらに5分ほど行くと 別の展望スペースがあり
お二人が荷を下ろしくつろいでおられた

ここはカルデラよりも山々を見渡す風景がすばらしく
iPhoneで撮りまくってる私の横で

“あれは浅間山ですかねー” とポツリ
“煙 でてませんか?” と その男性

“えっ 煙ですか?”

これがその写真



全然わからない 煙はいずこ?
こんなときはいつもの同定アプリでチェック

云われた方向にかざすと



あったー! 浅間山!!

わかりにくいので拡大してみると


確かにでてる! 煙! 凄い!

“そうですね 浅間山ですね♪” 
と アプリを見せると男性 目が踊る

“そうかーやっぱり浅間山かー♪”
半信半疑だったらしくホント嬉しそうだった

お連れの女性もアプリに興味津々で
わたしがスマホをかざすと熱心にのぞき込んでいた

暫く3人で同定談義をしたあと
少し先にある “山頂” へ移動



【鳶山】(2,616m)着6:30

北アルプス北部 五色ヶ原の南西側にあって
立山から薬師岳へと縦走する際に登られる山

1958年4月に起きた飛越地震の際に
大崩壊を起こした(大鳶崩れ)

かつて存在した大鳶山と小鳶山は消失し
立山カルデラに大量の土砂が流れ込んだ



その消失した山体の上にいるはずなのだけど
肝心の “大崩れ跡” はここからは見えず・・

それでも360°のパノラマ展望が満喫できる
なんと美しいこと♪



こちら縦走進行方向

手前の山がお二人が越えていく“越中沢岳”
その右奥が薬師岳 対面にあるのが赤牛岳

去年の薬師岳登山のハイライトを思い出す♪
👇



ド 迫力!

赤牛vs薬師 なぁんて
登山道もハッキリ見えてそそられっぱなし



黒部源流の山々が連なる


五色ヶ原の向こうに五竜岳・鹿島槍ヶ岳

お腹いっぱいです♪
ありがとうございました

お二人はそのまま薬師岳の方へ

わたしはしばらくこの絶景に酔いしれていたのだけど

グループ登山の方たちが上がってこられたので
山頂を譲る



(ふりかえり)先頭のガイドさん 声大きかったなーw

エスケープルートはない 行き先は決まってる
羨ましいなーと思いつつ 見送る

Have a nice day !安全でよい一日を!



もどってくるといい感じで池塘が光ってる♪

白山の弥陀ヶ原・南竜ヶ馬場と同じ
火山活動がつくった溶岩台地



北アルプスの名だたる名峰を視野に入れつつ
こうして眺められるというのはじつに贅沢だわー♪



山荘に戻ってきたら
今朝の賑わいは消えて 静まり返っていた



次来るときは薬師をめざすからねー♪


目の前に獅子岳!!

そして昨日は見れなかった風景が眼前に!



おぉぉぉぉー吸い込まれそうだ💦



ザラ峠に下りて行く途中の稜線からみた
地球の歴史を感じさせる地層



ダイナミックな崩れ 火山を感じる♪



ここで 今更だけどカルデラの全体図を示しとこうと思う
(もっと早く出せよって感じ💦)

 

これ 立山カルデラ博物館入口に貼ってあったもの

観た瞬間 恋に落ち💓

描かれてる浄土山から鳶山へ至る白い線が
カルデラを覗ける登山道であることを願い

それは ほぼそうであったのだけど

どこまで どんなふうに 見えるかは
歩いてみなけりゃわからない

と ただただ思いつづけていた日々が懐かしいw 

で 現実に戻り 進行方向をみると



とんでもないラスボス感💦(笑)


再びのザラ峠 0から372mを登る!
コースタイムは標準で1時間20分!(今8:20)



一歩一歩 前のめりで進む
反り返ってはダメ!(ザックがモッテカレル)

暫くガンバッテ で ふりかえれば



 超絶―景💓


その横に湧いていた雲が気になったけど


大丈夫 空はまだ青いぜ!


大丈夫!大丈夫!(私が大丈夫でないかも💦)


しかし!

獅子岳山頂到達に遮二無二なってたら
いつのまにか ハンパない量の雲が頭上を覆っていた


 
あらら 黒部湖も見えなくなりそう⁈


で 山頂に着いたときはこんなん(昨日と同じかーショック)



あーあ 鬼も龍も消えていく・・

東側で生まれた雲は瞬く間に成長して
2,700mの稜線をあっというまに越えていった



カルデラ側(9:08)
これが今日のベストショットでラストショットになった


早すぎる!水蒸気が立ち込めるのは覚悟していたけど
こんなに早く視界を奪われるとは・・



登山道は鞍部を越えたら
カルデラとは反対側の水平道を行くことになる

もうチャンスは・・ないな😢




落胆しながら鞍部まで来ると
待っていてくれたのが“お花畑”だった



おし!ヤル気が湧いてきた!
あの稜線を越えるぞー( `ー´)ノ



そう ここらの石は(自分的に)絶品ぞろい


梯子を越え


鬼岳を越え また下る


雪渓を巻きながら龍王岳へ
もう山頂には行かない 向かうは分岐



そうだった ここは墓場かと思うくらい石しかない!
(そういえばじっさい墓石になっとる💦)

それもでかいやつ!

昔々のその昔 大きな崩壊があったんやろな
白いだけの谷もなかなか見ごたえあり♪



もやっと 幻想的♪


突如 赤い石 なぜかここにだけある


これは溶岩だろうか


泡ふいたように ボコボコしてる 軽石?


見上げると目的の地がまだまだ遠い

落ち込むのも嫌なので俯きながら石だけ見て歩く
そうすればいつか突然 辿り着いたりするんだ

ブツブツ 悶々 ザッザッ 無心で歩いていた ただ歩いていた

そんなとき



えっ⁈ えーー! ライチョー?? マジ⁈



信じられない! こんな・・
登山道のすぐ傍に出没するものなのか⁈

そういえば周りはガスガスで視界もなく絶好の出没タイミング⁈
そうか こんなときに出てくるんだ

でもってこの子はずっと鳴いていた

草むらをつつきながら
ググッ ググッ・・と 誰かを呼んでるように

その視線の先にかすかな物音
振り返るとちっさいのが草むらから飛び出してきた

おーーーー! 一羽 二羽も!



親子だよね

こどもは親より小柄で羽の色が濃い
おかあさんはお腹の辺りが白っぽかった

子どもらはイワツメクサを猛烈な速さでついばんでた
もっとのんびりした鳥かと思ってたけど違った

雷鳥は高山植物を食べるんだー と知る



おかあさん 近づく


こどもと ツー じゃない スリーショット OK!

焦った💦 が 脅かさないよう撮影動画をとった
(ここに載せれないのが残念)

逃げないとは聞いてたけどホント警戒しない
わたしがいることなぞお構いなしで草を食べ続けた

こんな凄い瞬間になぜ自分一人なのだろう と思った
前にも後ろにも人はいない 誰もいない

もしかしてこれはご褒美? 何の? いやよそう

逢いたい逢いたいと思ってるときは逢えなくて
幸運は忘れたころにやってくる

そのうちオコジョにもきっと逢えるだろう(マジ逢イタイ)

暫く見てて こどもらが散らばっていったタイミングで
わたしも重い腰を上げた

あーこの場を立ち去りたくない(デモイカナクチャ)

おかあさんは相変わらず鳴いていた
わたしはこの声を一生忘れないだろう

Bye-Bye またね♪

逢いに来てくれてホントありがとう♪



15分後(10:55)


分岐に到着 一ノ越へ下りる

もとより浄土山から下りるつもりはなかった
歩きにくそうだったし

一ノ越へのこの道は歩いたことがなかったから

迷わず進路をとる



しかしまぁ ここも疲れた足には注意が必要

歩いて見て気づいたけどこの稜線の右側にも
見ごたえある風景がチラチラ見えていた

どこをとっても美味しいとこだらけだなー立山♪



【一ノ越山荘(標高2,700m)着11:20

室堂ターミナルから雄山山頂に至る登山道の中間点
標高2,700mの稜線に建つ山小屋



目に入ったのがトイレ
ここはハッキリと有料と書いてあるがそれでいいと思う

“お気持ち” とか要らんでしょ
宿代だって上げてるんだから

日帰り組はとくに払うべしだよね
コイン携帯 忘れるべからず


見上げると



霧にむせぶ立山雄山 動く気になれない

横を見ると アジのある手書きのウェルカムボード
目に留まった「コーヒー200円!」

こっちがいい💓



いっただきまーす♪

山荘で UCCインスタントコーヒーと柿の種個袋を買い(ポリポリ)
外界の影響を受けない室内でマッタリとした時間を過ごす

あまりまとまった休憩をとらないので
ザックは今日もずっと担いだままだった
( ア! ライチョウ ミテルトキモ)

ここまできてようやく荷を下ろす気になった
極楽じゃー♪

さてこのあとどうしよう

予定ではここから歩いて歩いて弥陀ヶ原にある
カルデラ展望台にいくつもりだった

でもこのガスガスじゃ展望なんて望めない

雄山も行かない 展望台にも行かない
とりあえず 下に向かって歩こう



すこーし晴れてきたけれど すでに戦意喪失💦


室堂へ向けて最終ウォーク♪

そういえば前回はバスの時間が気になって
雄山から無我夢中で駆け下りてきたんだった

景色を見る余裕もなくひたすら歩いたなー



こうしてみると表の顔もなかなかですな♪


ここが前回上がってこようか迷った雷鳥沢からの出口か


山道沿いにあった「剣岳神社」?
(存在自体知らんかった💦)

雄山神社に行かなかったのでこちらで無事感謝の合掌



雷鳥沢キャンプ場には20張くらいのテントが見えた


地震のせい?緩んだ石のスキマが気になる


【立山室堂小屋】

日本最古の山小屋らしい
中に入ったことがなかったので行ってみようと思ったら

建物の方からやってきた陽気なオネーサンが

“ねっ 行けるとこまで行ってみよー♪”
と叫んで 何人かと草むらに消えていった

“なんだ⁈ なんだ⁈”



これか

【玉殿岩屋(タマドノノイワヤ)

立山開山伝説の聖地⁈ 聞いたことがある

佐伯有頼(サエキアリヨリ)が熊と白鷹を追ってこの岩屋に来ると
熊が阿弥陀如来に白鷹が不動明王となって現れ
立山の開山を命じたという

それと 板状節理(板状の岩盤)も見ものらしい

考えるより先に足が動いた!
ネエサンノ後を追う♪



ロープが張ってあったけど進入禁止ではないようだ

こんな細い道? どこまで下りるん?

正直あんまり長く歩きたくなかった
下りたら下りただけ帰りはシンドイ

が 5分くらい歩くとその岩屋は現れた



なるほど… そのとなりには


お地蔵さま

どちらにも手を合わせてきました
立山を開いてくれてありがとうございます

そしてこの岩屋の壁が



板状節理

思った以上に薄い板状の節理
これは ラッキーだったというほかない

立山室堂小屋に戻り
見学を終えたらちょうどいい時間となっていた

13:40 のバス目指してターミナルへ
20分前についたのにもう人の列

50人は並んでいそうだった

“これは さすがに無理かな” と思っていたら

改札で “何名?” と聞かれる

“ひとりです!” というとゲートを通された
なんと 私が最後の乗客だったという

なんだかガスでカルデラが見れなかった(1日目)ぶん
後半ラッキーも多かったようなw

立山カルデラ展望台はあと2つある
今日行けなかった分 次回に残せたと思おう

いろんなことが経験できた愉しい山歩だった

さぁ 帰って 開店!開店!


<今回の軌跡>


どうも龍王岳分岐の辺りでミスったらしく
記録がとんでいるが一応つけておく






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