2021/12/02

TAMA-SANPO㊽~白山登拝の道筋を辿る⁈「奥獅子吼山~宿の岩~蛇巻岩」~2021.11.15

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」


奥獅子吼山山頂から白山を想う


【宿の岩(しゅくのいわ)(標高800m付近)

登山道上にある 直径5mを越える4つの大岩
中世の修験僧が刻んだとされる経文が見られる

【蛇巻岩(じゃまきいわ)(標高790m付近)

登山道上にある 高さ15m/底辺の径25mの巨石

名の云われは中央部がくぼみ
蛇が巻いたように見えることかららしい


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


今年 白山登山をしてきて思うことがあった
泰澄大師が歩いたという加賀禅定道のルート

尾添から白山への道は大体今のハライ谷ルートだとして
じゃ起点の白山比咩神社から尾添までのルートは?

えっ? 今の国道157号線や360号線じゃないの?
って…じつは2年ほど前まで疑いもなく思っていた

板尾不動滝 と 宿の岩 と 蛇巻岩

この3つがジオスポット(或いは文化財)として
その名が記されていることを知るまでは…

確かに江戸時代には旧道はできていたし
そこを通って人々は尾添に向かったと思う

がしかし!その前は?平安時代もそうだったの?

どうも泰澄さんが歩いたのは
違うルートである可能性が高いのですよ

その根拠は

石に経文やら僧侶の名前らしきものが
刻まれていたこととか

古い文献に別ルートが記されていたから

それが

鶴来の街から奥獅子吼に登り
そのあと板尾村に向かって尾根筋を歩く

というルート

この途上ででてくるのが「宿の岩」と「蛇巻岩」
(と、「不動滝」)



ちょうど一週間前のジオツアーで
不動滝を見に来て登山道の存在を知り

本日の山行実現とあいなりました♪



朝7時 ここは 手取川第3ダムの近くにある

ノミレイク野鳥観察舎 の駐車場です
(白山市河内町口直海)


直海谷川のダム湖になっていて
水鳥たち(主にカモ類)が羽を休めていました♪

というのはどうでもいいんですが…
余りに美しい風景だったので…つい



伝説の加賀禅定道を歩くんでしたね💦

駐車場に着くと既に山友KさんとWさんの車がありました
今日は3人で歩きます(なので車が3台)

当初の予定はこれでした ☟
触発された標識!



不動滝-宿の岩-蛇巻岩/周回コース


この通りに歩くものと思ってたら
山を知り尽くしたKさんから提案あり

“周回もいいけど奥獅子吼への尾根歩きもいいよ♪どうする?”


びっくりした!
Kさん なんでアタシの潜在願望知ってる⁈(笑)

事前に調べて 宿の岩から
奥獅子吼へ続くルートがあることは知っていた

でも地形図の見方もつたなくて
果たして自分が歩いていいかの

判断もおぼつかなかったので
答えを保留(お任せ)にしていた


で この朝
Kさんから提案された“今日の” 最善案が


奥獅子吼から宿の岩/蛇巻岩を通って板尾に下りるルート♪

なんと!

不動滝から上がるのではなく
奥獅子吼から上がって下りてくるん?

車は3台ある!

一台目を不動滝近くにデポし

二台目をここに残し

三台目に3人乗って奥獅子吼へ移動

なるほど周回は一人でもできる
車が三台もあって(二台でもいいが)

もったいなさすぎる


もひとつ重要なのが登山道の状況らしい
不動滝-宿の岩間は かなり荒れてるとか?

午後からは雨も降るらしいし
全ての判断をKさんに委ねた!

整理するとまず犀鶴林道を使って

奥獅子吼山登山口 まで移動

そこから

奥獅子吼山
(板尾分岐)
宿の岩
蛇巻岩
蛇巻岩登山口
(林道)
不動滝登山口(駐車場)

となるわけだ

じつは犀鶴林道の入口を知らなかった自分
(鶴来浄水場へ入る道だった)
今回 わかってラッキー♪

おまけにこのドライブ

上がるにつれて金沢市街まで見渡せて
メチャ気持ちイーじゃん♪

獅子吼はゴンドラ横(の急坂)から行くもの
と決めてかかってた自分に笑えた



7:30 着いた!
(なんという!あっという間)

奥獅子吼山登山口

 今年初めての奥獅子吼山♪ スタートです♪
と そのまえに気になる告知が…



板尾線~宿岩って…今から歩くところ⁈
まぁいい頼りになる山友さんがついてることだし💦



これこれこの眺望!ひさびさに観た♪
暫し 足が止まる



こんなに歩きやすいロードだったっけか?
雲間から差し込む光にホッ♪



奥獅子吼山(標高928m)山頂到着!

10分ちょっとしか経ってないんですけど…
 林道からだと早っ💦



もとより期待はしていなかった白山眺望
それでもこの視界の広さ 深呼吸したくなる



考えてみたら奥獅子吼で
まともな白山を観たことがないなー(苦笑)

今から歩く稜線を眺めつつ立ったままで小休憩

で 山行再開



板尾への分岐に来ました
ここを下りるのは初めてです♪



奥獅子吼山?

地形図には「873」とだけあった場所



「鷹栖山(タカノスヤマ)」というんですね
(見晴ノ峰とも?どっちなんでしょ)

そしてハッキリと書かれています ここは

加賀禅定道/行者ヶ尾根



ケカン谷の頭(870m)?
欅尾山(ケヤキオヤマ)(876m)?

行者ヶ尾根っていう名前が気に入った!
ホントに修験者になった気になる♪

視界をさえぎるものもなく足元は平坦で

白山を正面に見ながら歩くのはさぞかし
極上の気分だったろうと思う



左手に広がる峰々

奥の尾根が 口三方~烏帽子~道西山
手前が 宮谷の峰

ではないかとKさんの見立て
いつもながら凄いなー♪



アップダウンも適度にアリ ちょうどいい疲労感
快調♪ 快調♪



奥獅子吼-不動滝-宿の岩 の三方分岐

正面を行けば 宿の岩
右に行けば  不動滝

でも 不動滝 の標識はナシ



カメラマンWさんのリクエストに応えてボディランゲージ
こっちの道が “宿の岩” 行きー♬



地面に置いてある というか落ちていた白板

それから10分ほど歩いたところで出会ったのが



宿の岩 でした
【白山市指定文化財(史跡)

尾根上にデーンと出現したけど巨石
まわり込めば上に乗れそうだったけど

なんだか罰当たりな気がして止めた

伝説では
ここで泰澄さんは修行をされたそうです

雨をしのぐところもなさげだけどどうしてたのだろう

近づいて見ると…



確かに文字が刻まれています

こんな吹き曝しにあって何百年も
ハッキリとした形をとどめているのは

不自然な気もしないではないけど
そこは…歴史ロマンってことにしときましょうか



少し先には 座禅岩

この上で?下で?前で?座禅してたの?

20分ほど歩くといい感じのブナ林登場♪



ここが 北の峰(890m)



谷を挟んだ向こう側は奥獅子吼山かな
ずっと見ていたかったのですが…

そーもいきません

人生山あり谷あり
やはり谷は待ち受けていました(苦笑)



先頭を行くWさん 早い!

颯爽と下りていくけどここ結構 急だし
おまけにこの落ち葉の厚み



ふかふかで気持ちよさそう?
とんでもない!

何が隠れているかわからないから
メチャ怖い!

浮石かもしれない 砂礫かもしれない
見えない恐怖は自然と体をこわばらせます


後傾気味の重心をなんとか戻そうとするのだけど
恐怖が先に立って思うに任せない

自分を危うくしてるのは自分だってことに
気付いてるのに修正できない

やっぱり怖ーい!

“ゆっくりでいいよー”
Kさんが後ろから声をかけてくれて救われる



なんだかこの辺り
おっきな石が多いなーと思ったら…もしや…



おっ!



思った通り 蛇巻岩 でした♪
【白山市指定文化財(名勝)】


人の顔にも見えるけど

まん中の窪み辺りが蛇が巻き付いたみたいに
見えることからついた名前でしたね

岩の色が変わるのを見て
天候を占ったとも云われています

興味深い巨岩ですがゆっくり見ている
時間もないのでまたいつか見に来ましょう



そしてまた林の中の急坂を下ります

ときどきポツポツと冷たいものを感じましたが
降ったうちには入りません

この状態でマジに降りだしたら
尻もちの一つや二つじゃすまないのは必至です

降るなよー降るなよーと願いながら
ジグザグ歩きに集中します

太ももに力が入りっぱなしで

そーいや最近
ストレッチに身が入ってなかったことを思い出す

ここで“つけ”が回ってきませんようにー💦



いい写真ですよねー冬枯れの木立♪

なんて云ってる場合じゃないんですが💦💦💦

これ撮ってるカメラマン(Wさん)はきっと
メチャ余裕なんですよー

ちょっとジェラシー(笑)


それにしてもキツイ坂です

ステップは切ってないし(見えんし)
せめてロープ欲しいーって個所が幾つもあり



これはちょっといいこと

下ばかり見てるから目につくんですよ
宝石みたいな落ち葉たち

少し濡れそぼってる感じもまた風情あり
なんだか柄にもなく乙女の気分(笑)



そしていつしか樹林は杉林へと変わっていました
ここが今回の “肝” でしょうねー


伐採工事中なのはわかってました
問題はその “程度”

ただでさえ急な斜面に刈られた杉の枝葉が
散乱して足場を更に悪くしていました

でもまー承知で来たんで文句は言いません

とにかく早く林道にでたい!



あと少し💦 ガンバレ わたし!



ようやく林道に突き当たったと思ったら
思ったより段差があり

落としどころを探しながら丸太の上を平行移動



やっと林道を歩けました



これもまた 凄い道ですが(苦笑)

ちょうどお昼どきのせいか
辺りはシーンと静まり返ってました



道幅いっぱい塞いでるブルちゃんもこの通り

あ 停止してます



未舗装の道路脇に積まれた丸太たち

今下りてきた斜面にはこれらが植わっていたんだな
それを切ってた人たちがいたんだな

よくあんな斜面で作業ができるもんだ
できることなら見てみたかった…

などとまたまたひとり妄想を掻き立てながら
本降りになっていく雨の中を歩いていました



ここが本来の登山口

道と言っていいのか
山腹はかなり荒れているように思われます

ここから登ることを思うと苦労が目に見えます
ブナの林に行きつくまでに 道迷いしそうです



天気のいい日に歩いてみたい林道♪



12:30 不動滝入口まで来ました
ここで終了とします

林道に下りてからここまで

けっこう歩いたなーと思ったら
1.6kmもありました

ともあれ心配した尻もちもつくことなく
全員無事に下山できました

これはある意味 “奇跡” のようなことだと
かなり驚いている!
(あんなに難儀したんに💦)

さて

奥獅子吼~宿の岩~蛇巻岩
このルートが果たして禅定道であったかといえば

感触としては「YES!」

思った通りというか
それなりの難しさもあったし

晴れてれば
白山を観ながら歩けるというのは大きい


ここからはまた未知のルートになるわけだけど
直海谷川を渡った吹上というところを通って

吉野の山中を通って157号線上のどこかにでる
というのはどうだろう

佐良早松神社は中宮三社のひとつだったし
この辺りへ下りてくる道があったらそれかもしれない

なんて勝手に妄想中
これは 近場の御山も歩いてみないとね


今日のルートも次回は晴れた日に登って
周辺の峰々の同定ができるよう準備をして臨みたい

ということで今回はここでおしまいです♪




アプリを停止するのを忘れて県道まで動いてしまった💦
正確性に欠けますが重要なのは中盤ルートなので

とりあえずアップしとこう




不動滝入口道標まで9.6kmとでました

標高差 698m
距 離 9.6km
時 間 4時間(休憩込)



おまけ:今回のルートのことを書き記しているのが
江戸時代に白山本宮の長吏であった 澄意(チョウイ)というひと

※長吏とは 寺の長として寺務を統轄した最高位の僧のこと

その著書 白山諸雑事記 のなかで

現在の獅子吼高原(後高山)から
奥獅子吼山につづく尾根道が加賀禅定道である

としています


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