2025/10/04

TAMA-SANPO-91~火御子峰に焦がれて…「白山中宮道」を行く~2025.9.22-23

 たま山歩/未踏の山道をもとめて~」

火御子峰を含む地獄尾根

【白山中宮道(はくさんちゅうぐうどう)

白山主要登山道のひとつ

かつては白山信仰により
修験者や参拝者が山頂をめざした道(禅定道)

中宮温泉-室堂間 距離20km
(登り14時間/下り10時間20分)

白山火山の噴出物や高山植物の大群落
ブナの原生林など原生の自然を感じられる道だが

ロングコースで 急勾配やアップダウンも多く
計画的な登山が必要


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

7年前 大汝峰向こうの御手水鉢近くで
えもいわれぬ絶景に出会った♪

それは 薄く立ちこめたガスの隙間から
差し込む光を浴びながら神々しく輝いていた

剥き出しの潔さというかその容赦ない崩れかたに
心つかまれ 瞬時に恋に落ちた💓

(このブログのカバー写真がそれ💓)

火御子峰(ヒノミコミネ)というらしい”
(じっさいはそれを含む地獄尾根を見ていた)

“どうしたら火御子峰に逢える⁈”

“それなら<中宮道>を歩けばよい”

言われて調べたが登山歴三年の若輩には
過ぎた望みに思えた

自信がもてず 気がつけば7年が経っていた


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


昨年の秋

黒部源流域を一緒に回った山友Nさんから
北縦走路を歩く計画を持ち掛けられた

二つ返事でOKしたが秋も深まり
天候にも見放され 断念した

今年 計画が再燃 ところが今度は

下山に考えていた平瀬道が(正確には登山口までの県道が)
使えないことがわかり再び白紙へ・・

いやいや 戻すなんてもったいない!

すでに 御子とゴマ小屋の画が頭の中ででき上っていた
妄想のまま 終わらせたくない!

“中宮道へ下りるのはどうか?” 計画変更を提案

Nさん すぐさま
YAMAPでつくった登山計画送ってきた

それは 上りは 砂防新道から
別当出合-室堂-分岐-お花松原→と行き

→ 中宮道を下りるというルートだった

一日目の距離が長いが(15km)
上りが砂防新道なので不安要素は少なく

中後半の中宮道に注力できるのは正解だと思った♪

ということで



◆ 9月22日(月) 一日目 ◆

3:40 瀬女で待ち合わせ

今回は 登り口と降り口の場所が違うので

まずNさんの車をデポしに中宮温泉へ
その後 私の車で市ノ瀬へ

平日だけど連休の中日でマイカー規制中
シャトルバスを使って別当出合へ

運賃は ¥1,000-(高ッ)
詰め詰めの車内は男性が多い感じ

残り数席(とうぜん補助席)のひとつに
デカザックを抱くように 座る

重くはないがマットが幅をとって恐縮気味

別当出合に着くとそのまま スタート

5:20 吊り橋を渡る
8:40 室堂着

下界の暑さを忘れる涼しさ ホッとする

室堂センターの出口に腰かけ山頂を眺めながら
ソーセージを食べてたら

見覚えのある ひのき笠が目に入る
この笠被って白山を歩くのは “彼女” しかいない(笑)

思った通り S女史だった
暫く談笑してから お愉しみスタート♪



計画書では 御前峰-御池巡-分岐-だったが
大汝峰に行きたくて一旦別行動

分岐で落ち合うことに



千蛇ヶ池


ザックをデポして山頂へ


10:00 大汝峰山頂(2,684m)ご無沙汰してます💦


お祈りするならここしかない 
無事 歩き切れますように



これこれ!これがみたかった
これから歩く峰々 登山道もハッキリみえた♪


翠ヶ池 やっぱ きれいだな
北アルプスもよく見える♪


今来た道 けっこう歩くんだよね
かなたに 別山


全然血の色してない 血の池
ズームで Nさん みっけ!


今年は規制があって歩けない 釈迦岳
来年に期待


Nさんと合流して お花松原に下る


知ってる人は知っている ここの高低差 約300m

下りの何が嫌って着地点が見えないこと
夏草が登山道に被さって 歩きにくー!



雪のない ビルバオ雪渓 初めて見る


11:40 お花松原(2,260m)


あの頂きに道はつづいていて


上りあげると ゆるっとした尾根歩き♪


ステキな小径が待っていた♪


えっ⁈ 突然現る!


ちょっと待って💦

ふりかえって
見納めになりそうな剣ヶ峰をチェック

再び 視線を戻すと



12:00 やっぱ 地獄尾根

こんなに早く逢えるとは♪

地獄谷の東面を初めて見た やはり荒廃は酷い
赤茶けた壁の凹凸が迫ってくる

わたしを虜にしたこの色と質感は
地下深くにある熱水が作用したのだという

岩盤は脆くなり崩れやすくなる

10万年前には 3,000mあったという山塊は
今は 一筋の尾根の連なりとなって残るのみだ

凄絶な光景を目の前にしていうのもなんだが
なんと 儚いのだろう


ここで足を止めてちゃいけない

先を急ごう こんなもんじゃないはず
まだまだ もっと凄いのに逢えるはず



美しい稜線 見てるだけなら天国(苦笑)


好き!好き!小径💓
ところで北弥陀ヶ原はどの辺りなのだろう



池塘が二つ 水中に何かいる⁈
と思ったら 葉っぱもどきのようで



もう さっきからずっとだけど
三方崩山がずっとついてくる♪

名のごとく 三方が崩れてる好物の御山♪
( なんたって「崩山」だし)

御前峰/大汝峰/別山/どこから見ても
いつもきれいに崩れてるのが好き♪



おー広い!木道もあるし まちがいない
ここが 北弥陀ヶ原だろう♪

イワイチョウの黄葉はじまってた



またまた 三方崩山 好きなので何度でも(笑)
手前のもこもこしてるのダケカンバだよね

紅葉が見たかった なんていうのは贅沢の極み💦



反対側に目をやると 御子たちが目の前!
これはじっくり見入ってしまう

かつてここは谷(仙人谷)ではなく
中ノ川もなかった

富士山並の成層火山も
(古白山火山-10万年~15万年前)

風化と浸食で今は見る影もない

有為転変

この世のあらゆるものは変化しつづける
変わらぬものなど何もないのだと思い知らされる

それにしても崩壊速度が速すぎないか
あと一万年 持つかなー



感傷にふけっている暇はなく

目の前には
今やるべきことが提示されてるw



ふりかえり ガスがでてきた


三方崩山とダケカンバの位置がズレてきてる


13:30 地獄覗(2,168m)

稜線歩きで視界ナシはホント悲しい
こんなスポットが嬉しい♪



13:40 うぐいす平

現在の白山ができたのとほぼ同じころ
この辺りでも火山活動があったそうな

うぐいす平火山

と いうらしいけど
それがどこにあるのかはわからなかった



火山があったなら目の前のこの平たい草原は
その噴出物でできてるってことだな

地図を見るとこの向こうは崖っぽいが・・💦


さて次なるは 間名古の頭

ここはピークを踏むのではなくてトラバース
だったと思うが

それよりなによりこの笹 うざっ!



そして ロープですか⁈


何も見えんのですけど・・


14:00 間名古の頭(2,123m)
どこを巻いていくのでしょう


下りたけど


なんか いじめに近い・・💦


崩れてるしー!(ヒェー!) 狭いやろー!


ハハハ・・ 招かれてます💦

アップダウンと狭小道と夏草の猛攻に
さすがにふてくされ始めていた

それでも一歩一歩 歩みを止めなければ
光はかならず見えるはず


前を行くNさんの足が止まった



崩壊地が行く手を阻む
ピンテもなく上(を行く)か下か 思案中



どちらでもなく よく見れば道は見えていた


ふりかえり おーこれぞ中宮道⁈💦


三方崩山 崩れがだいぶ見えなくなってきた


樹林帯に入ってきた


15:00 三俣峠(1,960m)

ここまできてようやく一息

このあとから YAMAPがずっと
“道外れアラーム” を鳴らし続ける(外れとらんのに)



きれいだなー♪
もう驚かないが 美女坂みたいだと思った

“道がハッキリしてるから歩きやすそう”
とNさんは言う

ホントに?



岐阜側に目をやれば北縦走路が見えていた

最初の計画はこの道を歩くことだった
白川⤴室堂⤵平瀬 が ぶっとび

中宮道を歩いてるという因果

ゴマ平避難小屋まであと2km 遠いなー



誰だー!楽な道っていったのー💦


三方崩山は・・💦


激下り中💦


おっ 着いたか?


16:00 ゴマ平避難小屋(1,604m)

おーなんと神々しくみえることか💦

ムダのないフォルム
周囲に溶け込んだ自然な佇まい♪

二重扉を押し開くとシュラフを被った女性がひとり
座っていた

あいさつもそこそこ トイレを済ませ
水場に直行!



  数分下ったところにあるらしい


沢水がー♪


ありがたくいただきました
浄水器は使ってみたかったから使ったけど

そのままでも飲める水です


Nさん私の分まで持って来てくれた♪感涙💦
(重いのにスミマセン)


夕食は 湯を沸かすだけの簡単調理
マジックライスに金沢カレーを投入(マゼマゼ)

かなりのボリュームだったけど
明日もあるのでガンバッテ平らげる

先客のおねーさんとも話が弾み
愉しい時間は過ぎていった♪

暗くなってきたので「CarrySun」をセット

これメチャ便利(昼間のうちに充電)

川の字になって 19時消灯

疲れてるんだから早々にぐっすりでしょ
って思ってたら

夜中にまさかの 足攣り発生!なんで⁈
芍薬甘草湯/昼間は要らなかったのに2度飲んだ

何が悪かった?
激汗かくほどじゃなかったから水分足りなかったか

ビールが脱水をそそった?
やっぱ 補給はOS1じゃないとダメか

明日は10km下りのみ 6時スタートだっけ
足(脚)を指圧してたら意識がクリアになっていた

いかん! 寝なくては!

zzzzzzzzzzz



朝5時半 この子よくもってくれた🔦

体を起こし窓の外をボーっとみていた
青い闇が徐々に白くなっていく

両隣りの二人も起きだす

おねえさんの朝飯はカレーのようだった
さっさと作りさっさと食べさっさと支度を済ませていた

小屋泊まり 慣れとる!早い!

石徹白-南竜-室堂-ゴマ…で
今日は 北縦走路を歩くらしい(スゴスギル)



6:40 こちらも出発

短い時間だったけど極上の安心をもらえました
ありがとうございました



ダケカンバに見送られ 急な下りが始まった


おはようございます♪(チョットガスッテル)


ゴマ小屋は急坂の途中の平坦地にあるわけか
ここを 上りにせんでよかったとしみじみ思う



きれいだけど 毒きのこっぽい⁈


たしか地図では カエデ坂というとこを通るはず


このへんかなー 坂 だけど💦


東に見覚えある稜線が(笑)妙法山


その反対側/二日目の地獄尾根

視点が変わると見えるものが違ってくる
御子たちの背後のガレがより立体的に見えてくる

その鋭利さ 凄みが 強烈に伝わってくる
信じれんのは ここを上る人がいること!

(下り口がどうも右のくぼんだあたり?)
もちろんふつーの人にはできません

その人は言っていた

“火御子峰は触れただけで崩れる”

わたしは この峰は (登頂が)可能不可能というより

“人には踏み込んでほしくない”

と思った



薬師山(2,023m)

今は“まぼろし”の岩間道が通る峰
右側には ゾロ谷



左に見える水平道は岩間道?

斜面が大きく崩落して県道が落ち今は通行できない

復旧の目途はたたず 人は入れず
登山道は このまま廃れていくのだろうか

心残りは 岩間の噴泉塔群(国指定天然記念物)を
見ることができなかったこと

場所的にはこの木立の下あたり?
もう少し早く登山を始めていたらと 悔やまれる



ダケカンバの林をぬけ


8:15 滝ヶ岳(1,774m)

アクシデント発生!

ウザい笹をちょいと豪快に振り払ったら
ストックがいとも簡単に折れてしまった

折りタタミタイプ/横の衝撃に弱し😢



(これはもう一本のほう)
イチイ坂はどこー⁈


落書き(彫?)のブナ

こんなイケナイことされてるけど
目印になるという意味でロングコースの救い💦



ホワイトロードが見えてきた
国見展望台のあるあたりか?


待望の!


9:00 シナノキ平避難小屋(1,218m)

ご無沙汰してます ちょっと傷みが激しいけど
相変わらず キュート♪



今年はクマ出没問題が多発してる

とうぜん今この瞬間もくまモンはその辺にいるはず
彼らの落としもの 何回見たことか



小さな沢をいくつも渡った 狭くて緊張しいの道

でも


気が付くとお花に囲まれていた


そんなとき 前方に人影⁈ 登山者⁈かと思ったら


北部白山の管理人/泰山さんと遭遇!

こんな偶然あり-⁈

これから登山道整備に行くらしい
重そうな荷物は25kgあるって・・(ヒェー!)

途中難儀した状況を正直にぶちまけると

今年は 雪解けが遅かったこと
人手が足りなかったこと

諸々事情があって手入れが遅れたのだそう

あー不機嫌になってすいません💦
小屋も過ごしやすくしてくれて感謝です💓

あと三日遅く入山してたら
このレポートも 変わっていた⁈ かも



25kgの中身は 食料に作業道具に燃料等々
北部白山60km 全ての登山道を知り尽くしてる

でもこのごろちょっとお疲れモード?
想いを共有できるひと 待ってます♪



ホッとしてる場合じゃない 夏草の猛攻撃


とちのき坂 あと 3.8km


ちょっとくたびれたピンテ
かなたに「くろゆり」の紅い屋根

ホッとする♪



ここも懐かしい♪


清浄坂 あと1.9km


九十九折りの激下り
今年の豪雪の爪痕がそこここに


ロープも何カ所も




トチの実 ごろごろ落ちていた


ミズヒキ


ミゾソバ


上りで最初に心折れる急登は下りも同じ
おまけにカワイイ花たちも行く手を遮る

歩きにくさはもちろん とても長く感じるところ

砂防堰堤を認めると その先に


人工物!(階段)

と 嬉しい悲鳴を上げたNさんでしたw


まもなく フィニーシュ!


格闘の成果(苦笑)何の実だか⁈

これ取るのにメチャメチャ時間かかった💦
ゲーター必携!

舗装路を10分ほど歩いたら 駐車場
そして くろゆりに到着



〆のランチ

湯宿くろゆり特製「山小屋カレーうどん」

泰山さんに聞いてから
2人してこれを「支え」に歩いてきた(笑)

お水タップリいただき
白ご飯追加してスープまで完食!(幸セデシタ♪)


『湯宿 くろゆり』

〒920-2324 石川県白山市中宮ク5-32
☎︎ 076-256-7955
Mail.spakuroyuri@gmail.com


中宮温泉では 現在2つの温泉が稼働中です

そのひとつが くろゆりさん
(泰山さんが管理者です)

温泉よし ご飯よし 深山幽谷の風情よし

登山者でなくても(むしろ)そうでないかたの
ご利用のほうが多いかも⁈

白山白川郷ホワイトロードに来られたら
ちょっと足を延ばしてみてほしいです♪



そして このあと 市ノ瀬に戻り
白峰で温泉(総湯)に入って帰りました


いつもはもっと里山寄りの銭湯に行くんですが

なんとなく足が向いてしまいました♪
よほど気分が高揚していたんだと思います

遠方から来たであろう
たくさんのお客さんを見ていたら

自分が白山のふもとに住めていることが
有り難くなりました

中宮道にまみれた二日間♪
なんてステキな 二日間♪

一緒に歩いてくれたNさん 感謝です
来年は  北縦走路歩きましょうねー♪

白山の神さま ありがとうございました♪


<YAMAP計測>

◆1日目
距  離  15.0km
累積登り  1,825m
累積下り  1,525m
歩行時間  10:43(休憩込)

◆2日目
距  離  9.5km










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