2021/10/06

TAMA-SANPO㊺~秋の北部白山「楽々新道-加賀禅定道」後編/四塚山から百四丈滝へ~2021.9.30

 「たま山歩/白山から生まれる感動ストーリーをもとめて


【百四丈滝(ひゃくよじょうのたき)標高1,800m

白山山頂から噴出した溶岩が
その先端部で滝になったもの

 尾添川支流丸石谷の上流部にあります

丸石谷は急峻で
滝の足元に近づくことは困難なため

昭和61年に加賀禅定道が復活するまで
幻の滝と呼ばれていました

「百四丈」は

メートル換算すると 約300mほどになりますが
実際の高さは 90mほど

10数万年前に噴出した
古白山火山の溶岩で構成されており

後方には 主に溶岩類からなる
清浄ヶ原の緩斜面が広がっています


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


七倉辻 分岐
<スタートから 10.6km/高度2,517m 地点>




白山十字路「七倉辻」から北へ針路をとる
歩くのは「加賀禅定道」 

行く手に四塚山が見える



ピラミッドのようにきれいな三角形は
白山市街にある我家からもよく見える

反対側から見るとこんな感じ



大汝峰-七倉山-四塚山-尾添尾根

今 四塚山は



こんな感じで 秋色


砂礫の上に生える草が島状というのがユニーク
スキマを縫って歩道が線引きされている



四塚山

白山主峰・御前峰の北西にあって
加賀禅定道ルートの主要ポイントのひとつ

山頂には 石積塚があって
それが これ


昔 麓の尾添村に強欲で猫好きな老婆がいて
猫と一緒に村民に悪さをするので

泰澄大師の弟子の浄定(きよさだ)行者が

猫たちをこの石の下に
封じ込めたという伝説があります 

猫はのちに助けられ
麓の「猫ヶ島(ねっかしま)」

〈今の一里野高原スキー場辺り〉
に 住み着いたということです



ここで腰を下ろし 暫し休憩タイム
昨日買ったツナマヨ棒寿司をほおばる

<スタートから 11.2km/高度2,530m 地点>



周氷河地形階状土

気がつかなかった 次来たとき確認してみよう

時刻は9時過ぎ
今日ここまでで 4.5km歩いた

だいたい予定通りに歩けていることに安堵

お友だちはずっと先頭で歩いてくれている

自分のペースでイケてるだろうか
がんばり屋さんだからちょっと心配

余り長いこと休むと脚がすぐバカになるので
10分ほどで腰を上げ 出発

次は 覚悟のいる坂道らしい



ハイマツの向こうに今から歩く稜線が見えた
うねるカーブが美しくもあり緊張しいでもある




長坂

どこまでもつづくハイマツの樹海
どこにいてもわかる

かくれんぼできん(笑)

<スタートから 11.8km/高度2,391m 地点>


とんでもない激坂!
上から見てもヤバイやろ この高低差!



100mは下ってるか

見上げて思う こんなとこ登るもんじゃない
下山コースにして正解



このへんが かめわり(瓶割)坂

女人禁制の白山で酒を売ろうとして石になった
老女が酒の入った瓶を割った場所

という伝説アリ



油池(2,090m)

下っていくと水のみ場があるらしいが
確かめに行けるほどの筋肉的余裕がない(苦笑)



そのまま 素通り


あの山は 天池か⁈ 違った💦



清浄ヶ原の草紅葉を右に見ながら



気持ちのいいトラバースがつづく



振り返り 四塚山


この石を越えていく


山の雲ってなんでこうもおもしろい♪


がんばりどころ


ここが貴重な水場 天池

油池より大きい

ここで荷を下ろし小休止
木道があるとつい座ってしまう

<スタートから 14.5km/高度2,121m 地点>



動き出してすぐ 滝 発見!
これはまぎれもなく…♪

しっかし この高さから見る清浄ヶ原が凄い!
溶岩流!確かにここで止まっている!



加賀室(天池室)跡

説明書きが
灌木の影に隠れるように置いてありました

読んでみます

1700年代末期から1800年代にかけて
宿泊施設として利用された「室」の跡で

文献「白獄図解」には次のように書かれています



方二間板囲いにて甚だ丈夫に造る
三方は高き石垣にて風を防ぐ

前に二間四方ばかりの池あり
後ろの方に八間四方ばかりの池あり

此れを天池という…



確かにしっかりした石垣が残っています

江戸時代の後半までは
機能していたようですね

20分ほど歩くと待望の標識が見えました!



ここです!



3年ぶり 変わんない


嬉しくって もうこれは



バンザイ(感謝)しかない!


なぜか正座(撮られてたw)

急に 日も差してきていい感じ


清浄ヶ原

10~14万年前に形成された古白山火山
そのかつての火山斜面をなしていた緩斜面

噴出した溶岩流が固まってできた
白山でもっと広い平坦面


赤・黄・緑 の木々がキャンプ場のテントのようで
愉しくなりました♪

これからますます色づいていくことでしょう
秋本番に突入!


さて 滝に癒されるのはいいけど
腑抜けてばかりはいられません

まだまだ 本気の下りが待っている!



美女坂頭

伝説で老女が連れてきた美女が石にされ
美女岩になったそうです

言われれば坂の途中に
そんなふうな岩がみえる気もする

<スタートから 12.26km/高度1,960m 地点>


降下 開始!



とにかく神経使う

一気に200m降下
3年前よくこんなとこ上がったなーと思う

疲労は確実に溜まってきている

せっかく刈ってくれたササにも
ときどきヒヤリとさせられたり

気を抜いてはダメ
足にチカラが入らなくなったら終わりだ

ゆっくりでいい
こここそは慎重のうえにも慎重にいく

といいつつ途中 足を置いた石が横木を外れて転倒
大事なかったけど 焦ったー💦



行けども行けども底が見えない
どこまで下りる⁈

次のピークは見えている
わかっていても上り返しのシンドさが頭をよぎる



30分近くかけてここが底辺かと思えるところに着く

<スタートから 16.6km/高度1,761m 地点>

確かに 200m下りている!

そして再びの上り
それが加賀禅定道



美女 振り返り

次に目指すのは 奥長倉山
ここからいくつもの小ピークを越えていく

アップダウンの繰り返しだ


が 上りはやはりキツイ
呼吸を整え ゆっくり ゆっくり

以前は 下りの最中に脚の痙攣を経験した

大腿四頭筋やらふくらはぎやら
岡田君のフェイタスは少しは役に立ったんだっけ?

あのときの二の舞にはならない

登山を初めて6年目ようやく
「攣らない」歩き方がわかってきた

歩くことに集中した
とにかく無心で歩いた

荷の重さが肩にのしかかる
それを逃がす工夫をしながら歩いた

かなりの前傾姿勢
まるで田舎のばーちゃん(笑)

それでいい
カッコなんて気にしちゃいられない

写真もどーでもよくなってくる

と 前方に 見覚えある赤い屋根



やったー 奥長倉避難小屋 だ



やっぱり室内はホッとする♪
地面まで落ちてる金属屋根がポイントの小屋

小桜平ほど広くはないけど
小屋裏のスペースが使える

トイレあります(大小別)水場ないけど

管理人さん 感謝♪



行動食を食べ20分ほど足を解放して再スタート

<スタートから 17.1km/高度1,721m 地点>



これ好き♪ ハート型に削れた谷


下がってもまた上がる
幾つ越えた? 数えてたけどいい加減やめた



丸石谷と林道

人里が近いことを感じる


しかり場 分岐

小休憩 ここまで来た!
計算では あと2時間で登山口に着く(はず)

しかり場 は「しかりばる」からきていて

さっきから何度も出てきている
「強欲な老女」が

神さまの怒りにふれ 地面が避けて 深い谷になって
老女は石になってしまった

という伝説からきているとのこと


どーでもいいけど悪さするのは老女(婆)ばかり?
小賢しいのか なんなのか

笑えるw


ここからは白山山頂が望めるはず
でも このときは皆しゃがみこんでしまい

誰も気が回らなかった

「伏拝(ふしおがみ)」の場所であった
ともいわれている

<スタートから 19.7km/高度 1,543m 地点>


加賀禅定道の登山口は二つ

一里野スキー場の上部にある「加賀新道」
本来の道筋(禅定道)である「檜新宮参道」

車をデポしたのは「ハライ谷登山口」

檜新宮参道へGO!



ここからが長いらしい(苦笑)
時間で2時間 距離は3kmといったところか



檜新宮

加賀禅定道いちばんの行場

9世紀ごろから江戸時代にかけて

ここを拠点に
白山の修験活動が活発に行われていたようです

自然と手を合わせたくなります
よく歩いてこれたこと…感謝♪

<スタートから 20.3km/高度 1,496m 地点>



雪のせいでしょうね
案内板はこのとおり



神域に相応しい巨木が多くて癒される


御仏供水(おぶくすい)
お壺の水ともいう

登拝者にとって 超ー貴重な水場

分岐を下っていくとあるということですが
まだ行ったことはないです



少しガスがかかってきた
ブナの森がきれい

とにかく地味に歩く
3人とも ほぼ無言

地図アプリが
時間と高度と距離を知らせてくれる音だけが

規則的に響いていた

この機能は気に入っている
一人じゃないって思えるから



この倒木 記憶にあるw



因みに「ハライ谷」というのは
この進行方向でいうと 左側にある谷のことです

登山口までつづいているけど見えない

<スタートから 21km/高度 1,296m 地点>



杉林に突入(ブナも混在)

幻想的な景色の中だからこそ気になる
野生獣の存在

鈴の音高らかに鳴らしながら歩いた
自分を鼓舞する気持ちも込めて

<スタートから 21.5km/高度 1,216m 地点>



たくさんの栗が落ちていて
実があったりなかったり

おそらくここは猿たちの食事場

ハライ谷方向から 喧嘩でもしているのか
キーキー言う声が響いていた

<スタートから 23km/高度 726m 地点>




17:10 ハライ谷登山口 到着

 なんとか明るいうちに還って来れた!
ケガもなく 感謝

<スタートから 23km/高度 671m 地点>



一泊二日/北部白山周回山行 終了
ホントすばらしかった!

思い焦がれた憧れの風景
大地の脈動を直に まじかに感じられて

楽々新道/加賀禅定道/北部白山が
ますます大好きになりました♪

まだまだ知らないことがいっぱい♪

だからもっともっと歩きたい!

白山を取り巻く現状・環境

今起きていることを肌で知っていたい!

ジオ(大地)が語りかけてくる声に耳を傾けたい!

そこで知ったことを伝えたい!

したい! だらけでスイマセン💦

だから

自分の 目で見て/耳で聞いて/触って/体感する
TAMA-SANPO

これからも続きます<(_ _)>





【MEMO】

【1日目】新岩間温泉駐車場から小桜平避難小屋へ

■総コースタイム 5時間40分(休憩込)
標高差1,200m 距離6.7km
新岩間温泉(09:30)
丸石谷林道登山口(10:00)
小桜平避難小屋(15:00)


【2日目】小桜平避難小屋からハライ谷登山口へ

■総コースタイム 12時間30分(休憩込)
標高差1,870m 距離16.4km
小桜平避難小屋(05:45)
樅ヶ丘(6:00)
火の御子峰(07:00)
見返坂(7:15)
七倉山分岐(七倉の辻)(08:50)
四塚山(09:00)
長坂(09:40)
油池(10:30)
天池室(11:30)
百四丈滝(11:50)
奥長倉避難小屋(13:10)
しかり場分岐(15:10)
檜新宮(15:20)
ハライ谷登山口(17:10)


【総合】新岩間温泉駐車場からハライ谷登山口へ

■総コースタイム 18時間10分(休憩込)距離23.1km
最高高度2,543m 累計高度(+)2,162m 累計高度(-)2,283m 




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