昨秋にひきつづき
初心者のためのトレッキングツアーを開催しました
目標とする場所は「チブリ尾根」
行けるとこまで行こうということだったんですが
参加者の皆さんにご迷惑をかけてしまいました
装備はOK、日焼け止めもしたし、虫よけまで持ったしバッチシや!
でも何だか足が重いな~、たぶん睡眠時間3時間のせい…まぁいつものことやし…
そー思いながら、市ノ瀬から入山し、ブナの森の中をひたすら歩くこと3時間(途中休憩あり)
この標識のある“展望”スペース(標高1400mくらい?)で軽く昼食をとったあと
更に尾根を目指そう!と歩き出したところから“悪夢”は始まった!
私は皆んなの後方、他のメンバーは先をどんどん歩いていた。
そのうち、両膝の少し上のあたりに筋肉の盛り上がりができて、急速に力が抜けていき、細道の途中で立ち往生してしまったのだ!
押しても伸ばしても叩いても脚はいうことをきいてくれない。
脚が、攣ってしまい、座り込んでしまった。
少し休めば落ち着くモノと思ったが、期待に反し硬直したまま時間だけが過ぎる。
(何でこーなったん? 何が原因なん? どうしたらいいん…)
そこにいたAちゃんが心配して、一緒にあれこれ考えてくれるがわからない。
いつもと同じはずなのに何かが違う? シューズを新しくしたから?
でもこれは獅子吼に行ったとき履いてるし、そのとき問題なかったし…
頭ん中はパニック状態、痛みが拍車をかける。
暫くの間、コントロールの効かない両脚を見つめ、この状態からすぐに解放されることはないのだと悟ったとき、やっと意味のある言葉が出た。
「ここで待ってるわ、Aちゃん先に行って」
「電話通じないしね」
そうここは電話が使えない、先頭を行くリーダーに知っててもらわないと…
このとき、それでも私はまだ楽観的だった。
動かないのが最良の選択と思い、1時間でも待つつもりだった。
Aちゃんは、私を「置いていく」ことに抵抗があったようだが仕方がない。
さて、刻々と時間が過ぎる
皆が戻ってくるまでどれくらいかかるかな、30分くらいかな、などと考えている最中も
“攣り”状態は深刻になり、ふくらはぎ、足先、腿の裏側へとどんどん広がっていった。
時間が経って回復するどころか、悪化していく一方!
傾斜のある狭い登山道のただ中では、身体をフラットな状態にすることができない。
態勢も変えにくく、膝を高く上げて見たり、押したりさすったりしたけど変わらず、完全に下肢は機能停止状態!
痛い!辛い!きっつぅーーい!もう耐えられない!!
全身を丸めて何故か体育座りになっていた。
きゅんきゅん締め付けられる痛さに、ブラックホールにでも呑みこまれていく気がした。
筋肉が崩壊してしまうんじゃないかと怖くなった。
じっとしてても無駄なら立ってみよう
歩いたほうが楽になるかな
勝手にその場を離れるのもどうかと思ったが、痛さから逃れたい一心で、下に向かってオロオロと歩みを始めた。
その直後だった、後方(上のほう)に人の気配を感じて振り向くと、ひとりの成人男性が下りて来る。
膝ガクで、この世の終わりみたいな苦悶のカオしてただろう私を見て声をかけてくれた!
「どーしました?」
状況を説明したら
「ああ…」
「それ、塩分不足ですよ、これ飲んだらすぐ良くなります」
と言って、サプリのような白い錠剤をくださった!
「ボクも時々なるから、いつも持ってるんです」
と落ち着いた表情で言われたのを見て、筋肉崩壊は免れたのだと安堵した。
事実、10分後にはウソのように歩いていた。
男性がくれたのは、簡単に言うと「塩」を固めたモノらしい。
私が被った災難は、身体が失われた塩分(電解質)を欲しがって出した信号だったというわけだ
ネットで調べたら、足が攣るのはミネラル、水分の不足や疲労が原因
登山は汗をかき水分や塩分不足になりやすいのでこまめに摂取するべし、とあった。
そーいえば、スポーツ用品店でよく見かける。
「塩飴・サプリメント・スポーツドリンク」等々、もう他人事じゃないわ
これからは、お茶よりポカリスェットにしよう、と思った。
山歩き6回目とはいうものの、この時期に入山するのは初めて
最初、ブナの樹林のなかは、やや湿度が高かったように思う。
汗はかいていたけれど、気温は高くなく、ひんやりしていた。
トイレがない場所だと聞いていたので、飲料も気持ち控えめに摂っていた感がある。
何だか足が重い、は警戒信号だった?
軽い脱水症状だったかもしれない
思い当たりすぎるサイトを見つけたので貼っておきます。
「脱水症状の予防と対策について」参考までに…^^;
↓
http://www.kakuredassui.jp/findout4
というわけで、塩の摂取以後、下肢はすっかり良くなったかと思ったらそーではなく
家に着くまでの間、何度か、痙攣を繰り返したのだった。
不安を抱えて家には戻れない。
漢方処方の良い薬があるというので、アオキで買って帰った。
「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」
これかなり有名らしい、飲むと10分位で症状が消えて楽になるそうです。
足攣りそう、ってときに前もって飲んでもいいそーです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今回のトレッキングではいろんな“気づき”がありました。
― ひとつは、あたりまえだけど、知識も含めてできるだけの準備をしておくこと
予備知識不足で、正直パニックになりました。
登山をしていて、その場から移動できない状態になることが一番怖いこと。
そのためにできる限りの想定をしていくことが重要
足腰を鍛えておくことも当然(やってなかった)
― また、ツアーというと、人数が多いのがあたりまえ
一本道を長い列を作って歩くことになる登山やトレッキングでは、個人の体力・技術の差によって状況が違ってきます。
できるだけ皆が揃って移動できるのが理想ですけど、他人のペースに合わせるのが苦手な方もいます。
(健脚グループとそうでないグループに分かれていくこともあると思います)
そんなときに今回のようなトラブルが起こったら…
トラブル発生者の状況を把握しておくためには、できる限り足並みを揃えていくべきでしょうね
今回私は、過信もあり自分のペースに固執し過ぎたと思います、反省
― そして、インターネットや電話は役に立たない
通信機能が麻痺した場所では当然スマホもケータイも使えない。
もしあの時、ネット検索ができていたら、原因の把握くらいはできたと思います。
情報が得られないというのは、精神的な焦りと不安を増大させます。
通信不能や電池切れなど連絡手段は当然制限されます。
登山をしているのは自分たちだけではありません。
有り難いことに、途中ですれ違う方たちが“知恵”をくれることがあります。
私は今回、見ず知らずの男性がくれた“処方箋”で急場を切り抜けられました。
(あの塩サプリがなかったら恐らく自力の下山は不可能だったかも…)
登山を初めてされる方は、すれ違う人同士が皆「こんにちは」と声を掛け合うことに最初驚くと思います。
(普段の生活ではしないことです)
その本当の意味が“受難者”になって初めて分かった気がしました。
トラブルがあったとき頼りになるのはスマホやケーサツじゃなく、そこに居合わせた“ひと”なのです。
「こんにちは」を言うと皆、顔見知りのような、友達のような気持ちになります。
他人なのにいざというとき頼りになる、他人なのに優しくできることの裏返しでもあります。
御山に向かう目的は色々、でも気持ちはひとつだと思います。
人間らしさを感じさせてくれるところ、もちろん自己管理は大事です。
自己の責任を自覚しつつ、これからも嬉し楽しい山岳ライフを続けていきましょう!
私を含めた登山初心者向けに書いてしまいました。
何かのお役にたてたら嬉しいです。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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ひとまず良かったですね。 登山 軽い登山も 知識のある仲間と行く事をお薦めします。
返信削除登山は物凄いハードなスポーツです。
体にこたえるとようやく そのハードさが解ります。
次回から 漢方薬もお持ちください。
私も何度も失敗し、仲間に助けられました。
知子さん、コメントありがとうございます!
削除そーなんです、数回行っただけで、何だか慣れたような気になってた自分を恥じます。
豊富な経験をお持ちの方の言葉には、ちゃんと耳を傾け、自分の経験もこれからは誰かに役立てたい。例の漢方薬は今後必携とします。誰かの為に使うことがないことが理想ですけどね^^