2018/03/08

それぞれのなかの「ダキシメルオモイ」~小林憲明さんの世界に酔う




母は強し、という言葉がある。
女でも妻でもなく、母だから強くなれる、ことを

人生の中で、一番最初に実感したのは、病院で医師から妊娠を告げられた時だった。
親だと認定された直後にとった自分でも信じられない行動。

煙草を止めた、のだ


喫煙習慣は10年以上続いていて、簡単には手放せないと思っていた。
まだ何本も残っている箱ごとゴミ箱に捨てたのを覚えている。

これは意志というより、瞬時に湧きおこった衝動…
まっさらな命を「汚染」する行為を、ただ単に畏れたのだ。

母性にスイッチが入り、それ以後子らを「護る」ことは至上命題になった。
それが時には夫婦不仲の種になることもあった。

実際、第一子が生まれた途端、夫は2番目の子どもになり、次男が生まれたら3番目に降格、酷いもんです(苦笑)

それはいいとして…


金沢市民芸術村アート工房で開催中の絵画展「ダキシメルオモイ」を観てきました。
画家の小林憲明さんが、ギャラリートークをするという日に合わせて…


麻布に油絵具で描かれた何枚にも及ぶ親子の姿
ひたすら、そう、ひたすら抱きしめあう、或いは睦みあう一連の絵を見たとき指先が軽く疼いた。

素朴な質感をみせるキャンバスのせいだろうか
そこに塗られた絵具のどこか粗野なタッチを好ましいと思った。

そして被写体、ここには家族以外の何者も存在しない

甘えてもたれかかる子、抱っこする、受け止める(多くは)母親
それぞれの視線の先、緩むくちもと

一見、似たような作品が並ぶが、同じものはひとつとしてなく
そのどれも優しく切ない

切ない、には訳があって…
会場に展示されてる作品の多くは、3.11に端を発する苦痛を背負っているため


何があっても我が子を護りたい…
作品からじわじわ溢れる想いを感じながら、若かりし頃の自分と2人の息子たちをだぶらせていた。


まだアタシが、新米かあちゃんだった頃…あの頃は、とにかくよく抱っこしていた。

仕事と家事と育児…
日常の気ぜわしさのなかにあっても、ガチで向き合う心の余裕はなくても

この腕の中に収めた子らの顔は大方満足げだった(と思ってる)
あー、抱っこだけで満たされていたんだなぁと思う

そしてアタシも…

抱きしめるだけで自分も満たされていたんだなぁと思える
数えきれないくらいの安心感、幸福感、満足感に包まれていたのだわ

その子らも既に成人、たまに会っても、近況報告して談笑して、またね…で終ることが多い
それはそれで心満ち足りた今なのだけど…ふと思った。


ひさびさにハグでも仕掛けてみっかな
バックから羽交い絞めもいいな(笑)


成長し切った我が子に絡む図か…
抱きしめるというより抱きしめられる図?

殴られるかな…想像してニヤリ


アホなコト言ってられるのも、あの頃、とことん抱っこしつくした感があるから…

新米ママさん、悩みもいろいろあるやろけど
まずは気が済むまで抱きしめたらいい

理屈じゃない 
その「ダキシメルオモイ」からすべてが始まる♪















100あれば100通りの、抱きしめたい想いがある
小林さんは、ヒアリングをはじめ、入念な下地を作って、家族から受け取るメッセージを麻布に転生させる

震災の悲劇を忘れないように…
そのことが、海外も含めたくさんの人たちの心を揺さぶってきた。

捉え方はそれぞれの想いのままに…


『ダキシメルオモイ絵画展』
3月6日(火)~11日(金)
13:00~17:00
金沢市民芸術村アート工房
入場無料(イベント開催時は別途料金必要)

ダキシメルオモイ石川2018


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